尾藤三柳先生選第1位(235作品中)。今回は自信がなかっただけに嬉しい。過去5回の応募で先生には2回1位に採っていただいたことになる。(昨年は2位)
当代川柳家の頂点に立たれる先生の厳しい選に入ることをまず第1の目標としてこの文学賞に応募させていただいている。余人の追随を許さない孤高の川柳家としてつとにご尊敬申し上げている。
第1位に採っていただいてはいるが、今回の文学賞応募作品全体への厳しい評を同誌上に寄せておられるので、私の今回の作品(準賞)の後に全文を記させていただく。
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振り向けばいつも小さな守備範囲
自己肯定せねば生きてもいられない
触れあった電柱にみな陰がある
契印はしっかり押したはずなのに
あいまいな言葉を留めるホッチキス
悔いひとつせめては後ろ手に閉ざす
洞穴があるから夜が入り込む
とりあえず意思は曲げない接続詞
パッチワーク布の時間が咲いている
甦るため暖色をすこし足す
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理想との遥かな懸隔 尾藤 三柳
主催者側からは、選考結果提出の際に「なぜ採ったか、なぜ採らなかったか」を明らかに記せとあるが、残念ながら全体の水準が、そこまで達していなかった。この賞が目指すのは「次世代を担う新人作家の発掘」と「後世に残る名句の誕生」ということだが、このコンセプトの両つながら今回の集句内容とは懸隔があり過ぎた。だから、私が選んだのは文学賞とか大賞とかには関係がなく、選者の最低の義務として、集句全体から相対的価値判断で、規定数を並べたに過ぎない。
よしんば、この中から五選者の合計で最高点句が選ばれても、それに文学賞とか大賞とか銘打つことには「私は」賛同しかねる。
ことし第10回を数えるというのに、ユニークな作品も野心的な作品も見当たらず、ややもすると、現代川柳の内容を引き下げかねない内容には、逆に唖然とさせられた。
主催者側の理想とは余りにもかけ離れた応募しか望めない、こんな状態が続くのであれば、企画そのものを継続することじたい無意味であり、私自身も審査員の任を辞退しなければと考えている。
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