安倍元首相の銃撃事件で、旧統一教会と政界との関わりが問題になっている。旧統一教会とは、1954年に創設されたキリスト教系の新興宗教。現在の正式名称は世界平和統一家庭連合。本部は韓国・ソウルにある。この事件で旧統一教会がクローズアップされ、宗教のことについて考えた人も多かったのではないか。
日本人は無宗教の人が多いといわれる。八百万の神を信じる多神教だといわれることもある。正月には神社に参拝に行くが、結婚式は教会、クリスマスも祝うと。一見節操のない宗教観に見えるのね。
しかし、日本人の宗教観の根底にあるのはやはり神道(しんとう)なのである。日本という国に古くから根付いている(宗教ともいえない)宗教。八百万の神を信じている日本人にとっては、仏教もキリスト教も、八百万の神の一つという感覚なのではないか。外来の宗教を受け入れることにあまり抵抗がないのかもしれない。
日本人の根底には何でも受け入れられる精神が宿っていると考えられるのね。無宗教の人が多いといわれるが、多くの人は近親者が亡くなれば仏教の作法に則って葬式を執り行う。仏教を信仰しているようで、その信仰心は強くない。信仰をとくに意識しているわけでもない。ふだんは無頓着に過ごしている。
日本人の宗教観の根っこは、「八百万の神との共存」にあるようだ。絶対神的な観点が、日本人の中には根付いていない。古くから信じられている神道には、唯一無二の神が存在するわけではない。神社によって祀られている神も異なるのね。
現代の日本人は、あまり宗教に関わりをもっていない。宗教をきちんとは知らず、宗教に入り込むことに躊躇する。日本人は従来、八百万の神を信じていたり、仏教を信仰していたり、宗教とは柔軟に向き合ってきた。
無宗教だの無関心だのと言われる日本人の宗教観については、まったくその通りだと思うが、そのことに何の不都合も感じない。神道は日本に古くから根付いているが、教典や具体的な教えといったものはないのね。
新興宗教は、伝統宗教と比べて成立時期が新しい宗教の呼び名。日本では、明治維新による近代化以降、昭和までの近年にかけて創始された宗教のことを指す。あきこもほぼ無宗教であり、多神教に近い宗教観をもっているので、そういう宗教とはなじまないのね。まして多額の献金など論外! 神がそんなお金を欲しがる筈がない。あきこの宗教観は、ほぼ日本人の宗教観だろうが、これを劣っているとは考えない。