時実新子の川柳と慟哭(川柳作家ベストコレクション)
編著者: 平井美智子
新書判ソフトカバー・98頁
ISBN978-4-86044-813-4
今もなお多くの人を魅了し続ける時実新子の川柳と言葉―。
巨星・時実新子が二〇〇七年に亡くなってちょうど一〇年。彼女に最後まで付き添いを許された平井美智子氏が川柳作品をセレクト。そして残された言葉の数々を一冊に凝縮。
――いのちの限り咲きつづける。ライバルは自分自身。それが私の川柳である。――
熱の舌しびれるように人を恋う
凶暴な愛が欲しいの煙突よ
ほんとうに刺すからそこに立たないで
君は日の子われは月の子顔上げよ
妻をころしてゆらりゆらりと訪ね来よ
こちらあなたの夫と死ねる女です
菜の花の風はつめたし有夫恋
愛咬やはるかはるかにさくら散る
人の世に許されざるは美しき
れんげ菜の花この世の旅もあとすこし