著者代表の「つくばね川柳会」創立十周年、そして還暦を祝う記念出版として1999年に刊行。
親類(長女の義弟)の画家・秋山近史氏による筑波山をイメージした装丁の切り絵が美しい。
「平凡といえば平凡であるが幸福な、そしてもっとも裾野の広い女性たちの共感を呼ぶ長編ドラマがそこにはある。」(今川乱魚氏の跋文より)
《桃の花菜の花亡母はどのあたり》
《何ごとも起こらなかった傘たたむ》
《愛すすむ花という花赤に替え》
《おてもやんのお面をつけてボランティア》
《オクターブ下げてしっかりものを言う》
《天を仰いですらすら嘘の出る怖さ》
《どこででも寝られる枕もっている》