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出雲大社と怨霊|縁結びの裏に隠された暗い歴史

出雲といえば「出雲大社」
出雲大社といえば「縁結び」
一般的に出雲のイメージは「良縁、幸運、幸せ、神話の国」といったようにキラキラしています。しかし、出雲について少し踏み込んで調べる人は必ずといっていい程「怨霊」という文字を目にするはずです。
出雲大社は怨霊を祀っている
出雲は祟る
なぜ世間一般のイメージとはかけ離れた「怨霊」などという言葉が出雲から出てくるのでしょう?
今回は出雲と怨霊の関係についてまとめました。そこには縁結びの裏に隠された出雲の暗い歴史があります。
縁結びの出雲|作られたイメージ
一般的に広く知れ渡っている出雲のイメージは、縁結びや幸せといった明るく神聖なものです。
「出雲、出雲大社、縁結び、因幡の白兎、国譲り神話」
出雲大社でお願い事をすれば、好きな人や勤めたい会社と結ばれる。人と人、あらゆる物や事の縁を結ぶ…それが出雲大社を代表とする出雲の魅力になっています。
しかし、出雲にこのようなイメージが付いたのは、実は近年になってからなのです。
それまでの出雲はとてもネガティブなイメージが強いところでした。それが17世紀以降出雲大社に変革が起き、暗い陰のイメージを払拭するため、明るい陽へとイメチェンしていきます。
あまりにも酷いと極端に明るくするのは、地名にもあることですが、それと同じことを出雲国造家の千家家が行ったのです。

出雲大社の本来の名前
表向きに宣伝されている出雲は実にキラキラしていますが、少し掘るだけで出雲は多くの謎と共にその深い混沌とした歴史がボロボロ出てきます。
出雲というのは、日の沈む場所、夜や黄泉を思わせる最果ての隅っこにある陰の地でした。その代表ともいえるのが天日隅宮」(あめのひすみのみや)です。

これは何かというと、古代から呼ばれていた出雲大社の名前です。そもそも出雲大社が出雲大社と呼ばれるようになったのは1871年からです。
それまでは「杵築大社」(きずきのおほやしろ)と呼ばれていました。つまり出雲の杵築という地にある大社です。
出雲大社といえば出雲を代表する神社のように聞こえますし、実際今では出雲大社がそのように脚光を浴びています。しかし、出雲大社は出雲にある数ある神社の一つに過ぎません。

出雲大社は数ある神社の一つ
実は出雲には出雲大社以外にも多くの重要な神社があります。
まず出雲には「出雲四大神」(いずもよんおおかみ)という四大神がいて、彼らを祀る4つの神社があります。

「杵築大社、佐太神社、野城神社、熊野大社」
ここから見ても、出雲大社(杵築大社)は出雲四大神を祀る神社の一つにすぎません。
その他にも、島根半島西端には天照大神を日沈宮に祀る「日御碕神社」、東端には大国主命の美穂津姫命(妻)や事代主命(子)を祀る「美保神社」があります。
そもそも出雲において出雲大社は、熊野大社よりも格下でした。それは『出雲国風土記』からも、伝統の祭りからも明らかです。

出雲の本当の神様
現在の出雲大社の主祭神は「大国主命」(オオクニヌシ)です。
国譲り神話に登場する出雲の神様であり、現代では縁結びの神様として広く知られています。

出雲の神様といったら大国主命といわれる程にイメージが定着していますが、実はこの神様は出雲全体を見渡した時にあまり見かけません。

出雲の神社で多く祀られているのは、大国主命とは別の神様です。
そもそも出雲大社で大国主命が祀られるようになったのは1667年からです。
縁結びの神様として知られる大国主命は、祀られてからまだ350年程なのです。では、それ以前は誰が祀られていたかというと…
素戔嗚尊(スサノオ)」です。
出雲大社では神仏習合してから神仏分離するまでの約800年間は、この素戔嗚尊がずっと祀られていました。今でも出雲大社の本殿の裏に、一番高い所の上手には素戔嗚尊が祀られています。
出雲全体ではこの素戔嗚尊を祀る神社が圧倒的に多いのです。そして出雲で一番格の高い熊野大社がこの素戔嗚尊を祀っています。

出雲が祟る理由は国譲り神話にある
ここまでで一般的な出雲のイメージと、出雲本来の姿の違いが少し見えたかと思います。

では、出雲が怨霊だの祟りだの言われるのはなぜなのしょう?
『記紀』では崇神天皇期に大物主大神が祟りを起こして国民の半数が死に絶え、垂仁天皇期には皇子が生まれつき喋らないのは出雲の大神の祟りとあります。
いったい朝廷はなぜ出雲に祟られているのでしょうか?朝廷が出雲に祟られる程の何をしたというのでしょう?
その理由はあの「国譲り神話」に隠されています。

この内容は出雲国と大和政権との出雲国をめぐるやり取りと見ていいでしょう。
国譲りと聞けば争いもなく穏便に住んだかのようですが、この神話の内容だけでもおかしな所だらけです。
武甕槌命(タケミカヅチ)が国譲りを迫った時点から、もはや脅迫になっています。
事代主命(コトシロヌシ)は死者の拍手(裏拍手)と言われる「天の逆手」を打って海へ飛び込む…入水自殺をしたと考えられています。
健御名方命(タケミナカタ)は争いで腕を失い、諏訪に幽閉され後に死亡したと考えられています。
そして、大国主命(オオクニヌシ)は幽世つまりあの世に行ったので、自殺もしくは殺されたと考えられます。
それぞれの亡くなった場所には、彼らの怨霊を鎮めるために社が建てられました。祟りや怨霊と捉えるのは、加害者(大和政権)が被害者(出雲)に対して酷いことをしたという後ろめたさからくるものです。
怨霊の祟りを鎮めるために「大きな社」の建立と「盛大な祭り」が行われます。その規模が怨霊となった者に対する後ろめたさや怖れの表れと言えます。
国譲り神話は朝廷(大和政権)によって書かれたもの。朝廷の都合のいいように脚色されているのは、どの国も歴史の勝者がやってきたことです。
本当に国譲りの内容が記述どおりなら、朝廷は出雲を祟りなす怨霊と恐れはしないはずです。

出雲大社の怨霊を祀る仕組み
出雲大社は普通の神社と違っておかしなところがたくさんあります。その中で有名なのを4つ紹介します。

1つは出雲大社の参道が「下り参道」といわれ、本殿に向かって下り坂が続いてることです。普通は平坦か石段を登った高い所にあるはずですが、出雲大社は神様を低い所に祀っています。
2つ目は本殿に祀られている御祭神の向きです。大国主命は南向きの本殿に対して西を向いています。つまり、正面から拝殿・本殿を拝むと大国主命の横顔を拝むことになるのです。そういう真当には拝めない形になっています。そのため、それを知っている参拝客は西側に回り込んで横から拝んでいます。
これは俗説や迷信とも言われますが、「怨霊を祀る神社は参道が折れ曲がっている」という特徴があります。これは「悪霊や怨霊は真っ直ぐにしか進めない」という考えによるものです。出雲大社も大国主命を正面から拝むためには、何度も曲がる必要があるということです。
3つ目は社にかかる注連縄です。これが出雲大社では普通とは逆向きになっています。そして巨大です。結界を意味する注連縄の向きが逆ということは、普通とは内と外が逆なので怨霊を封じ込めているのではと囁かれています。
4つ目は参拝方法が「二礼四拍手一礼」で、一般的な二礼二拍手一礼と異なることです。この意味は不明ですが、一説では四拍手は死拍手を意味しているのではという考えもあります。
これらの普通とは違う構造が何を意味しているかははっきりとは分かっていません。しかし、これだけ異質な出雲大社は明らかに何かを暗示・意図していると思われます。

まとめ
世間一般では「縁結びの神様を祀る神話の国」と清く明るい出雲ですが、本来の出雲は朝廷から虐げられ隅に追いやられた暗い存在でした。

暗く残虐的な歴史を持ち、怨霊の祟りを鎮めている出雲…そんなイメージの悪い出雲に誰が足を運ぶでしょうか?
だからこそ、出雲は変わったのです。
神仏分離の流れからいち早く杵築大社の祭神を大国主命に変え、神社の名前も出雲を代表するかのような「出雲大社」に変えました。
大国主命を縁結びの神様として、それにまつわるご利益や出雲神話を取り入れ、これまでのイメージを払拭した出雲を大々的に宣伝しました。
その結果、本来の陰の出雲は見事に縁結びという陽のメッキに覆われることで見えなくなりました。これが今の出雲の姿…千家尊福の努力のたまものです。



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⦅3519⦆18日の出雲大社(いなばのしろうさぎ)吟行へ向けて、出雲大社のことを調べる(下記、ネットから一部)”にコメントをどうぞ

  1. 月波与生 on 2024年5月17日 at 4:29 PM :

    見るもの触れるものみみな一期一会ですね。
    お家に帰って来るまでが吟行です。
    道中お気をつけて!

    • たむら あきこ on 2024年5月17日 at 10:11 PM :

      月波与生さま
      ありがとう!!!
      18日早朝に発ちます。
      まずは、出雲大社吟行。
      大会は、翌日。(^o^)/

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