今回作者名が気になっていたのは、秀2の句。昨日久美子さんに頂いたコメントの返信に、『今回は秀2の作者が誰なのか、明日の発表を楽しみにしています。かなりの手だれと見ています。秀1には無難な句を採らせていただきました。』とさせていただいた通りである。
焦って焦って日がな海鼠になっている
蓋を開ければ岩根彰子さんの句だった。「手だれ」というのはあたっていたわけである。この句を秀1に頂くには2つの引っかかる点があった。まず破調。「焦って焦って」を「焦っては」とおさめることで定型を守れないか。もう1つは「海鼠」。死んで店頭に並べられているナマコだとは思うが、海底で蠢いている海鼠かもしれない。字の中にある通り、鼠のような素早い動きをするのかも知れない。お題が「焦る」であるだけに、迷った。
焦っているときほど何も手につかないということで、店頭の動かない海鼠のイメージをもってきたとすれば隠喩として成功している。生きている海鼠でもよい。「日がな海鼠になっている」の魅力に抗えなかった。聊かの迷いを感じながらも秀2に頂く。
秀1を次の句とさせていただく。
日めくりが有無を言わせず減っていく
選評。
実感句。「有無を言わせず」が効いている。紙を剥がすように少しずつ「減っていく」いのちの持ち時間のことを詠っているのだろうか。
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