手のなかに師・前田咲二【27】‥《砂時計の砂がだんだん熱くなる》(前田 咲二)
※時間がないので、少々急いでまいります。(平成13年度分はこれで終わりです)
『前田咲二遺句集 平成13年』【27】
長生きをしてやる国がその気なら
優しさに囲まれ爪が伸びてくる
うまそうにわたしを皿に盛りつける
人波の中に写楽の顔がある
息苦しくなれば別れるまでのこと
少年兵の骨も藻屑と呼びますか...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【26】‥《自分を糾す定規を一つ持ち歩く》(前田 咲二)
※時間がないので、少々急いでまいります。
『前田咲二遺句集 平成13年』【26】
群がって柩のぞいている他人
声一つない難民の長い列
勝ち馬の激しい鞭を浴びた艶
子と孫の後方支援しています
濡れ衣がだんだん重くなってくる
挨拶のコピーに肉筆のサイン
自分を糾(ただ)す定規を一つ持ち歩く
自衛隊派遣は...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【25】‥《噴水のてっぺん秋に触れている》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成13年』【25】
思い出を冷凍保存しています
てっぺんに立った時から狙われる
天上天下わたしを晒す場所がない
朝の靴 足になじまぬときがある
ゴッホの樹が青い焔を上げている
マンネリの顔が集まる月例日
女の浅瀬に 躓いてばかりいる
まだ妻を連れて歩いたことがない
傷口を素手でさ...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【24】‥《手裏剣が赤絨毯に落ちている》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成13年』【24】
楽々と夕陽の泥にもぐり込む
昭和史にわたしの遺伝子を残す
妻という杖が身近にいてくれる
満ち足りて写経の音の中にいる
わたくしが隠れる袋 持ち歩く
おいしいものは音たてて食えばいい
魁夷のブルーに溶けてしまったぼくの駄馬
いろいろあって落ちた果実は拾わない
寂...【続きを読む】
第60回 文芸まつり(和歌山市)表彰式‥《今年はね火に入るような夏だった》(ジャナニ ムラリ)
第60回 文芸まつり(和歌山市)表彰式会場の県民文化会館に着いたのは9時過ぎ(所用で少々遅れたのね)。午前は小学生・中学生の部、午後からは高校生・一般の部。
午前中の司会は小雪さん。選者講評をしっかりと聞かせていただく。つぎは小学生の部(川柳)の入賞句から3句。
朝日新聞社賞 新しいボールとわた...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【23】‥《盃の菊の御紋に浮く昭和》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成13年』【23】
足裏を見せて淋しい逆立ちだ
逆縁のお星母にはすぐわかる
阿彌陀さまのみ掌にふわりと降りようか
柔らかに輝いている母の星
とうちゃんの直した屋根が漏っている
塩爺と咲爺どっちもどっちだな
恐れずひるまず小遣いアップ妻へ言う
ズボンからシャツを出すなと言うたやろ
...【続きを読む】
(2018/11/21) 堺番傘11月句会‥《焦れているらしいときどき変化球》
南海高野線堺東駅着は12時15分頃だったか。改札を出たところの喫茶店でサンドイッチ&コーヒーの昼食。13時前に東洋ビルディング4F7号室まで。明子、浩子、勝彦、愿、いずみ、ふさゑ、侑子、秀夫、英夫、八斗醁、晃朗、茶助、ひろ子、栄子、桂子、千代美、握夢ほかみなさまとご挨拶。(&ハグ♡) 席題は「疎い...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【22】‥《犬も猿も雉子も職安に通う》(前田 咲二)
※時間がないので、少々急いでアップしてまいります。
『前田咲二遺句集 平成13年』【22】
少し抗い少し流れて生き上手
仁王だって所詮 脇役ではないか
新月に小さいおねがいを吊るす
オアシスの真ん中にある曽根崎署
毒舌家といわれ胃薬離さない
オアシスの燐寸を妻に咎められ
盗った盗られた言うほどの人や...【続きを読む】
(2018/11/18) 第42回 川柳ねやがわ市民大会‥《きのうの水の影棲むわたくしの鎖骨》
【現代川柳の読み方】本日の大会入選句の《きのうの水の影棲むわたくしの鎖骨》の「水」は、故人の暗喩。川柳は、暗喩を〈読む〉ことが読解の鍵。句意は、「きのうの水」すなわち過去に逝った人の「影」が棲みついている私の「鎖骨」であることよ。ご参考まで。
(19日、記す) 京阪寝屋川市駅に着いたのは11時45分...【続きを読む】
本日、第42回 川柳ねやがわ市民大会出席
京阪寝屋川市駅は、毎回先師を送らせていただいて降りた駅。時間があれば駅舎内外で一時間ほど談笑、タクシーに乗られるのを見送ってから、帰りの電車に乗った。歩いて帰られることもあったので、先生を偲んでおなじ道を歩こうと思う。(どう歩かれたかは分からないので、だいたい)
...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【21】‥《拉致疑惑の霧が流れている 渚》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成13年』【21】
孫がグーばかり出すから出すハサミ
尾鰭のついた話わたしのことらしい
拉致疑惑の霧が流れている 渚
急き立てておいて忘れているようだ
荷風の淡より潤一郎の濃が好き
今日を漂うている 人波の中で
笛吹いて踊らぬ部下の数を読む
消印とあなたの住所とが違う
きっと死ぬ...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【20】‥《前略と書いて想いがほとばしる》(前田 咲二)
*平成13年度に入ります。
『前田咲二遺句集 平成13年』【20】
入れ歯洗滌 飾るものなどない暮らし
省庁再編はんこ屋の高笑い
ITという蛇に締めつけられている
一月四日生ゴミ提げて家を出る
納骨はさくらの頃にする 都合
化けてゆく一部始終を見る車内
紀伊國屋でときどき夢を補給する
女の夢にもう...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【19】‥《煮え切らぬ男を一夜干しにする》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成12年』【19】
行方不明になる算段をしています
紅白が終わると二十一世紀
ミヤコ蝶々が閻魔を笑わせる
スランプの底でうどんを食べている
ぼくによく似ている打つと曲がる釘
河内弁です喧嘩ではありません
丸い石ばかり寄ってもつまらない
えんぴつで重い答が書いてある
ぽっくり寺へ参...【続きを読む】
(2018/11/14)川柳グループ草原11月句会‥《消えかかるきのうを咲いているクラゲ》
思い立って 川柳グループ草原出席を決める。京都なので毎回は行けない。今回は、一泊して“長谷川等伯吟行”をセット(と思っていたが、その前に立ち寄った仙洞御所の拝観に時間をとられ、時間切れ)。どこを掘り下げても奥深い京都、やはり月一回は吟行したい。(ありがたいことに、最近ホテルならぬ簡易宿泊所ホステル...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【18】‥《竜宮に何か忘れてきたようだ》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成12年』【18】
脇道にそれた男が光り出す
パントマイムのおしゃべりに酔うている
かあさんの無駄に大きな愛がある
次の世もめぐり会いたい友ばかり
ぼくもよくぼったくられた若かった
禁煙ビラの下でたばこを吸うている
舌の上で転がしている捨て台詞
ビールの味忘れたトラのユニホーム
...【続きを読む】
手のなかに師・前田咲二【17】‥《ひょっとこの仮面はいつも泣いている》(前田 咲二)
『前田咲二遺句集 平成12年』【17】
手ぶらでは行けぬ招きへまだ迷う
コップ伏せ言うておきたいことがある
百円ショップで中途半端を買ってくる
社長のようなバイトのような仕事です
いざというときには太くなる絆
外野の声を拾い集めているマイク
揺れているのに親も教師も気付かない
ひまわり整列 号令かけ...【続きを読む】
書の味わい(赤池加久氏と畏友小堀邦夫氏、両氏の書)
書は一期一会、誕生のその瞬間にいまを生きるいのちを表現するものと考える。二度塗りや、切り張りなどの修正はきかない。古典を研鑽し、積みあげることで技をみがかなければならない。自身の書を確立するには古典から学ぶことが必須。修練を積み重ねるうち徐々に自分らしさを見出し、個性や資質を反映した書風ができてい...【続きを読む】
羽咋(はくい)・折口信夫(おりくち・しのぶ)父子の墓吟行30句(2018/11/6)‥《気多大社(けた たいしゃ)への径で笑っていたマユミ》(推敲中)
羽咋・折口信夫父子の墓吟行30句(2018/11/6)
入らずの森に答 わたしはここにいる
家持信夫の影をかさねて寂しくなる
神域のしじまへ秋を踏んでいる
踏みしめる朽ち葉の先の信夫歌碑
信夫歌碑あたりきのうの声幽(かす)か
わたくしの歩を晩秋が包みこむ
気多大社への径で笑っていたマユミ
マユ...【続きを読む】
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