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前田咲二遺句集 平成12年』【17】
手ぶらでは行けぬ招きへまだ迷う
コップ伏せ言うておきたいことがある
百円ショップで中途半端を買ってくる
社長のようなバイトのような仕事です
いざというときには太くなる絆
外野の声を拾い集めているマイク
揺れているのに親も教師も気付かない
ひまわり整列 号令かけてみたくなる
多情多恨 帰る港が二つある
真剣な嘘 真剣に聞いてやる

妻のカーブにバットが合ってきたようだ
ぼくに見切りをつけたか影が走り出す
だんじりが派手に壊してくれはった
徒党組む女に勝てる筈がない
キムタクとぼくの遺伝子どう違う
添えてある似顔がおもしろい名刺
人脈の端でやがてを待っている
修羅をくぐった傷がいくつもある仮面
ひょっとこの仮面はいつも泣いている
百叩きぐらいは覚悟してる恋

話しかけると雲亡父になり亡母になり
妻子という銃を突きつけられている
群がって柩のぞいている 他人
忘れたら忘れたときのことにする
内湯から外湯へ月が美しい
ついでに言うておくがときついことを言う
思案した揚句の喧嘩なら買おう
素手でつかむめしのうまさを知ってるか
玉虫色の袋に四島を包む
地下鉄を上がってどっと秋に逢う



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手のなかに師・前田咲二【17】‥《ひょっとこの仮面はいつも泣いている》(前田 咲二)”にコメントをどうぞ

  1. 前川奬 on 2018年11月13日 at 9:49 AM :

    たむらあきこ様
    『前田咲二遺句集 平成12年』【14】【15】【16】【17】
    ご抄出の句拝読。遺句集作成という大仕事、ほんとうにご苦労様です。
    下記の句がわたしの興味を引きました。

    受付にパントマイムを座らせる
    パレットに今日の疼きを溶いている
    膨らんだ夢がだんだん重くなる
    忍の字をいっぱい抱いているシニア
    平気です亡母が後ろにいてくれる

    振り出しに戻ると湧いてくる力
    ぼくだって噴火をしたいときがある
    一本の葦にたとえて耐えている
    遺言に火種を一つ入れてある
    泡は吐き終った潮が満ちてくる

    校則に師を殴るなと書いてない
    刎頸の友と序文に書いておく
    右の手に憧れている左の手
    五十年 まだ殴られる夢を見る
    腹話術 上手な方が生き残る

    手ぶらでは行けぬ招きへまだ迷う
    真剣な嘘 真剣に聞いてやる
    ひょっとこの仮面はいつも泣いている
    忘れたら忘れたときのことにする
    思案した揚句の喧嘩なら買おう

    有難うございます。
    前川奬

    • たむら あきこ on 2018年11月13日 at 10:32 AM :

      前川奬さま
      明日から、また句会と吟行。
      順調に進めるように、本日中に【18】も抄出予定。

      待ち受け画面にしている前田先生の写真が励ましてくれます。
      健康に気を付けながら、出版までがんばるしかないですね。
      いつもありがとうございます。(__)

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