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前田咲二遺句集 平成13年』【21】
孫がグーばかり出すから出すハサミ
尾鰭のついた話わたしのことらしい
拉致疑惑の霧が流れている 渚
急き立てておいて忘れているようだ
荷風の淡より潤一郎の濃が好き
今日を漂うている 人波の中で
笛吹いて踊らぬ部下の数を読む
消印とあなたの住所とが違う
きっと死ぬことをときどき忘れます
催促じゃないがと催促がきつい

札束に目のない虫を飼っている
五十年 飼い馴らされたなと思う
幕間の馬が煙草を吸っている
ぼくの器はぼくが一番知っている
妻のシュレッダーにいつかはかけられる
辞書を買い替えて流れに逆らわず
あきらかにわたしを避けている傘だ
人形に後ろを向いていてもらう
軽口は叩くが本心は見せぬ
教科書検定 隣の国にしてもらう

リサイクル利用わたしもしてほしい
じっくりとわたしを煮込む落とし蓋
七十の目にこんなにも出る涙
もう一人のぼくが女の方を見る
ぼくの地図からときどき妻がいなくなる
地図にない道ならたんと知っている
ダム底の村よお変わりないですか
ぼくの噂らしい 女のことらしい
メーデーの列も短くなりました
閃光を見た目がヒロシマに集う

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