川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成8年)【25】‥《美しい嘘だな騙されてやろう》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。先生はとても頭のよい方で、いつも穏やかでやさしく冗談好きなのですが、しっかりと相手を見抜いておられるところがありました。日本通運の部長にまでなられた方ですから、社会経験によるところもあるでしょう。相手を見抜いたうえで対応を考えられるのね。少々のことは、...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成8年)【24】‥《一汁一菜こころに守るものがある》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。先生はふだん自炊をしておられました。京阪寝屋川市駅で降り、たまにイズミヤでの買い物にお付き合いすることがあったのです。慣れたようにカートを押してさっさと買い物をしていかれる先生は当然物価を知っておられ、そのことを時事川柳の選にも活かしておられました。
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川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成8年)【23】‥《わたくしを抱いているのは神だろう》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。
『前田咲二遺句集 平成8年』【23】
ふるさとの痩せ田を守るあばら骨
相談は体裁だけと知っている
職安で期待が一つずつ消える
夢夢夢 光陰の矢が速すぎる
価格破壊のパンツを一つ買うてくる
国会へ記憶の悪い人を呼ぶ
ぼくの地図から妻がときどきいなくなる...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成8年)【22】‥《よろこびが爪の先まで咲きこぼれ》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。
『前田咲二遺句集 平成8年』【22】
切り餅のうすさも老母の苦労性
お世辞ぬきできれいとお世辞いうてはる
去年きたから出したのに来ぬ賀状
旗の波 そして笑顔が還らない
今年こそはと書きそのあとが浮かばない
捕鯨禁止の町で無口な老砲手
合格の電報いまも...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成7年)【21】‥《来年の花をいっぱい胸に蒔く》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。平成7年はこれで終わりです。
『前田咲二遺句集 平成7年』【21】
藁一本握る拳が熱くなる
みんな優しくてこのごろ物忘れ
お亡母さんほらほらあれはだれだっけ
間違えるならもっといい靴はいてきて
オーレオレオレ比叡おろしが吹き荒れる
家屋補修のビラがわが...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成7年)⓴‥《七人の敵へ七つの意地がある》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。一度だけ先生に「あんたも、たたかえ」と言われたことがあるのね。現瓦版の会代表(会長)に悪意を込めたあり得ないことばで恫喝され、しばらくして先生に会を退くことをご相談したのね。そのとき。折角の長いご期待に添えないことは心苦しかったのですが。先生のご落胆も...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成7年)⓳‥《みかんがのっている母さんの置き手紙》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。「先生は、俳句とか短歌をもっとやりたかったんじゃないの?」との問いに、「そうなんや」と口惜しさをにじませたお返事。寿命には限りがあるので、あれもこれもというわけにはまいりません。三十代で毎日新聞の「毎日俳壇」や「毎日歌壇」で毎週のように特選をとられた鬼...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成7年)⓲‥《過労死を夾竹桃は知っている》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。多くの句を読み込み写してまいりますと、亡父母に対する先生の思いの深さが沁みてまいります。ことにご苦労されたらしい母上に対する感謝と思いの深さ。
『前田咲二遺句集 平成7年』⓲
骨は拾ってあげる年金見返りに
一徹だった父真っ白に焼けました
亡父の仕草で柱...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成7年)⓱‥《戦艦ヤマト 地球は青い色でぬる》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。かつて演歌の女王美空ひばりが七色の声をもつと言われましたが、先生も七色を駆使して句を詠まれた。器の大きさとでもいうのでしょうか。時事川柳あり、ユーモア川柳あり、文芸川柳あり。「句の幅を広げるためにも時事川柳も詠んでごらん」とあきこに言われたのね。
『前...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成7年)⓰‥《橋渡るまでは確かにあった虹》 平成7年に入ります
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。川柳には、当然フィクションも入る。何通りもの人物になり、また動植物にもなって詠む。すぐれた川柳は一篇の掌編小説にまさることもあるでしょう。その中に作者のたましいや叫びや願いが込められてくる、そうしたもの。
『前田咲二遺句集 平成7年』⓰
えべっさんらし...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成6年)⓯‥《ホテルの玻璃に遠い木枯らしが揺れる》 平成6年分はこれで終わりです。
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。抄出はそろそろ二千句を超えていると思います。先生の句は、〈本格川柳〉そのもの。いまは川柳を詠むことを〈吐く〉とはあまり聞きませんが、かつては〈吐く〉と言っていたのね。そのことばの実感を先生の川柳から受け取っております。
『前田咲二遺句集 平成6年』⓯
...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成6年)⓮‥《くらがりに父が居そうな 古時計》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。選者を信じるなというわけではないですが、没句をすべて残しておくことをお勧めします。前田先生もすべて残して、くり返し違う選者にほぼそのまま出句しておられます。あきこも同様、以前捨てていた多くの没句がいまとなっては惜しくてなりません。
『前田咲二遺句集 平...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成6年)⓭‥《女とは美しきかな 阿波踊り》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。先
『前田咲二遺句集 平成6年』⓭
裏方に徹して祈ることばかり
あてにならんお人へ裏戸開けておく
泉州の沖に明日の風が吹く
ピカソみたいというのは下手ということだ
八起き目の手に握られているヒント
百円を割るレートへ旋盤がきしむ
傷口にふれぬ言葉をよっ...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成6年)⓬‥《敵艦をめがけて落ちていった火よ》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。先生は戦時という非常時を、将校育成学校である江田島の海軍兵学校で勉学と訓練に励みながらくぐってこられました。そのときの絆の強さを「親友や」ということばで語られました。瓦版誌の巻頭に、毎日唱和したという「五省」のことを書かれたことがあります。
『前田咲二...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成6年)⓫‥《人形の傷みはわたくしの痛み》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。わたしはほぼ八十代の先生しか知りません。六十代後半(先生は1926年生まれ)の句を抜き出していると、若々しい姿が立ちあがってまいります。亡父と同年齢ということで、ものの考え方などに似通ったところが無きにしも非ず。
『前田咲二遺句集 平成6年』⓫
白い杖...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成6年)❿‥《微笑めばほほえみかえす埴輪の目》 平成6年度に入ります
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。平成6年に入って、1月~3月に先生の出席された句会は川柳瓦版の会、番傘川柳本社、だいとう番傘、番傘折鶴、番傘人間座、番傘いざよい会、くらわんか番傘。(句会名をこれからときどき書いてまいります)
『前田咲二遺句集 平成6年』❿
おせち料理の片付け役をして...【続きを読む】
(2019)川柳塔わかやま吟社1月句会‥《半眼の仏のてのひらかこの世》
♡川柳の会に入りませんか (和歌山市内の句会へのおさそい)
川柳を、正しく楽しく勉強して、早く上達し、川柳の先輩や友人をつくるということは、川柳を続けていくためにいちばん大切なことです。これらのことをいっぺんに実現できる方法があります。それは、川柳の勉強の会である「結社」に入会されることです...【続きを読む】
川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成5年)❾‥《なんにんの男となんど見た虹か》
※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。平成5年分はこれで終わりです。平成4年、5年は先生の六十代後半で、全体に句の内容に若さが感じられますが、句格という観点からいうとすでに大家の風格をもっておられたと思います。
『前田咲二遺句集 平成5年』❾
かくれんぼ藁に夕陽が燃えていた
なんにんの男と...【続きを読む】
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