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2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。平成5年分はこれで終わりです。平成4年、5年は先生の六十代後半で、全体に句の内容に若さが感じられますが、句格という観点からいうとすでに大家の風格をもっておられたと思います。

前田咲二遺句集 平成5年』❾
かくれんぼ藁に夕陽が燃えていた
なんにんの男となんど見た虹か
定年後 妻が無口になりました
宗教の名で人間は殺し合う
縄を綯う百歳 十の指反らせ
母が敷いてくれるふとんはぬくかった
ほどほどにしいや鏡に笑われる
自画像にあしたの夢を塗り重ね
千羽鶴 翔び立つ明日がきっとくる
十字架に父のドラマがかけてある

米盗人とよあしはらのいまの世に
人間の醜さ 鳩は知っている
雲の上を雲が流れている 輪廻
平凡な夫婦でいようつぎの世も
一冊の本とふとんがあればいい
旅三日 罪がだんだん重くなる
オイと呼ぶいのちがそばにいてくれる
年金のいのちふたつがもたれ合い
いやになったら言って別れてあげるから
妻がうしろにいると信じていた誤算

ライン悠悠 いまも人魚の歌をきく
大阪だなあ漫才が落ちている
合鍵が別れたわけを知っている
さりげなく傷たしかめてゆく他人
行きずりに罪のにおいのする女
この町が好きなひょっとこおかめです



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