川柳瓦版6月号巻頭言より
青森市、野沢省吾氏主宰「川柳蝕光舎」が募集した第3回高田寄生木賞(大賞)は、愛媛県の神野きっこさんが受賞された。きっこさんは「楽生会」所属で、当瓦版句会にも出席されたことがある。
寝たきりのゆうこにも毎月生理 神野きっこ
という句で、「受賞者のことば」で次のように述べている。
長女の優子はてんかんという難病で生涯、首も座らず、寝返りすることもなかった。言葉もどこまで理解しているのか定かでない。しかし身体のリズムは狂うことなく、元気な子供と同じように毎月生理がきた。太陽が東から昇り、西に沈むように正確な時を刻んでいた。結婚することも、子供を産むこともなく二十二歳の若さで永眠した。私にとって優子は決して負担ではなく、分身そのものだった。
きっこさんには他にも
更年期大きなパンツはいている
という句があるが、身辺の真実を何ら飾ることなく率直かつ大胆に表現していて、強く読者の心を打つ。
近ごろ、川柳の傾向として、気の利いた語句を組み合わせ、巧みに読者の気持ちをくすぐる、言葉遊びのような句を多く目にする。すべからく川柳は、素手で読者の心を掴み取るようなものでありたい。
――前田 咲二
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