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(4日、記す)
 《あきらめたとき美しくなるこの世》(新家完司)。瓦版「咲くやこの花賞」の板野美子選「美しい」で嘗(かつ)て採られた句。初めてこの句を目にしたときは、感動のあまり作者のご自宅に電話を掛けさせていただいたほどだった。(お留守でした)
 先日完司先生に伺ったところによると、この句が新著『平成二十五年』の中でも、やはり圧倒的に支持されているらしい。こころに響く句は、おなじなのである。
 この句をひと言でいうなら、「末期(まつご)の眼(め)」。「末期の眼」とは、川端康成の著書(評論)の中に記されている、芥川龍之介が死を前に遺した言葉。下記は川端の「末期の眼」の中にある、芥川の「或旧友へ送る手記」の一部。
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…唯自然はかう云ふ僕にはいつもよりも一層美しい。君は自然の美しいのを愛し、しかも自殺しようとする僕の矛盾を笑ふであらう。けれども自然の美しいのは、 僕の末期の眼に映るからである。
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 爾来(じらい)「末期の眼」は、死を意識した眼には、この世は愛おしく美しく見えるというような意味で使われている。透徹、達観の眼。川柳の一句を以て「末期の目」を表現しているのが、完司先生の句といえるのではないか。私の目指す川柳もまた、このような深い一句であることを申し上げておきたい。

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