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2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。先生の本名は前田作自。江田島の海軍兵学校75期。先生に《全員整列 特攻志願 一歩前》という句がある。昭和18年(1943年12月1日入校、昭和20年(1945年10月1日卒業。敗戦により閉校する事が決定したため、急遽、卒業式を行い75期生には卒業証書を、それ以降の生徒には修了証書が与えられた。終戦当時先生は1号生徒(最上級生)。ぎりぎりで命ながらえられたが、多くの先輩を見送られた。

前田咲二遺句集 平成9年』【34】
二紙を読む右も左も知りたくて
ぼくを刺しそうな懐刀だな
駄菓子屋の瓶に昔が詰めてある
全員整列 特攻志願 一歩前
窓を開け放つ鬼にも仏にも
喧嘩した猿と犬とを馘にする
愛という静かな修羅もあるのです
阪神の帽子かぶったホームレス
ながいことビールを吸わぬユニホーム
プライドという突っかい棒が外せない

落日を拝む畠の真ん中で
手につつみ拝む利休の黒茶碗
人間ドックの帰りにビフテキを食べる
魚偏の字に熱燗がよく似合う
宇宙からやがて刺客が来るだろう
百円ショップでジョークを一つ買ってくる
偶然にしては手筈がそろいすぎ
携帯電話の向こうでゆれるおんなの火
銀漢を浴びて北山杉育つ
父ちゃんより先に箸持ったらあかん

間違い電話のようだと妻に言うておく
迷彩の背中へ流れ矢が当たる
喫煙権小さな声で主張する
罠の上に「北方領土」吊ってある
大臣の財産ぼくと変わらない
だんだん妻の罠にはまってゆくようだ
ふらふらとまた来てしまう母の墓
ぼちぼち隠居したらどうやという叙勲
七十年使った臓器ですどうぞ
そして秋 長い手紙を書いている



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