柳人紹介 (35)鈴木順子さんの20句
仏壇の吾子と一献して眠る
繰り言の何を言っても還らぬ子
想定外ばかりしんどくなってきた
約束があって明日も生きられる
四六時中子に守られている果報
ひととせよ風来坊は帰らない
一周忌こんなに集う血の温さ
君と見た虹が今でも拠り所
泣いて知る涙に味のある事を
風少し入れて私を取り戻す
骨折れることも我が子であればこそ
大丈夫なはずだ愛して育てた子
親心届かぬはずがあるものか
親不孝重ねられても愛おしい
気苦労をさせてもらえる幸もある
解凍をされては困りますあの日
しっかりと心に蓋をする別離
爪を切るだけにも母は涙する
花びらをむしる私の分岐点
泣いて笑ってやっぱり家族有り難い
あきこさんへ、おひさしぶりです。
私のつたない句集を紹介してくださりありがとうございます。
親子で頑張った歳月を遺したくて、遺したくて、編んだ句集です。
嬉しいです。
空元気で生きてきましたが、句集を編んだことで少しホッとした心持ちでいます。
ギアを切り替えて、「川柳」作句に励むことにします。
私に、元気を下さり、ありがとうございました。
鈴木順子さま
人生の痛みの中でも、子に先立たれた痛みは最も大きなものでしょう。
とくにはじめの10句。
これからも、おたがいに、おたがいを支えてくれるのは川柳。
この文芸が、こののちより多くの人の心の支えになればいいと思うのね。
これからの作品に注目したいと思います。
お電話で話した通り、「ことばを飾る」ような川柳ではない、「自分のいのち(心)を吐く」ような川柳を詠まねばと思っています。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。