下記は墨作二郎氏の「点鐘散歩会(てんしょうさんぽかい)」でご一緒させていただいている川柳作家、徳永政二さんの今月の作品。
私とはどこか波長が合うらしく、互選でよく抜いていただく。7月1日の柳都全国川柳大会でも、2句とも上位に採っていただいた。「わたくしのひとりは梟に戻る」(準特選)。
完成度と詩性の高さということで、「ゲストの椅子」からこのかたの作品をまず挙げたい。
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行先 守山市 德永 政二
高齢のご婦人が二人、より添ってプラットホームへの階段を
下りてゆく。
「私は事故をしているので、足が冷えると痛むのよ」
「ああそれで」
「私のは使い痛みよ」
「ああよう働くのね」
支え合うように歩くそのうしろ姿を眺めながら、
僕は川柳へのやがてくる電車を待っている。
八月の影を支えている斜め
さっきまでいた少年がいなくなる
その辺をくるっとまわす水はつめたい
かえる鳴くようにとんぼが飛ぶように
つる伸びてその行先を問うている
炎天をそれでも何かあるように
夕暮れの端をまたいでいるひとり
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