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 選句の途中で気付いたのは、先生は没句を捨てていないということ。入選するまでなんども同じ句を出しておられる。なんどか没になった句の中に、非常に優れていると思われる句もある。句は、選者を選ぶということだろう。
 毎日起床後、まずパソコンを立ちあげ、眼が元気なうちに選句に入る。すべて終えるにはどのくらいの時間がかかるのだろうか。全部で三千句近くを抄出できると思っている。その中から、どこまでを一冊に遺せるか、選句の合間にじっくり考えてみたい。

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 「前田咲二遺作集 平成10年」分の抄出は、昨夜で終了いたしました。本日川柳塔わかやま吟社でひと月ぶりの柳友たちと楽しんでまいります。  平成10年度の先生の句会出席数は112回。お預かりした自筆の... 「川柳塔わかやま吟社10月句会(2018)‥《弁当の途中でひろう着信音》」の続きを読む
『前田咲二遺句集 平成10年』❼ 伸び切った輪ゴムの中に妻と居る 夫婦別姓 首輪が少し軽くなる スランプの形で髭が伸びている マツタケにもカニにもぼくは不感症 うどんのネギ多いと幸せと思う 外野席の主... 「手のなかに師・前田咲二❼‥《気心を許し外濠埋められる》(前田 咲二)」の続きを読む
『前田咲二遺句集 平成10年』 神様がいいと言うまでただ歩く 歩き疲れて仏の膝をお借りする 使い捨てカメラで軽い恋を撮る 肩書きを捨てて自分が見えてくる 新聞をがつがつ食べている戦士 ポケットでショッ... 「手のなかに師・前田咲二❻‥《環状線の秋を一駅ずつ拾う》(前田 咲二)」の続きを読む
画:東山魁夷 (描かれたのは、御射鹿池) 『前田咲二遺句集 平成10年』❺ 本当の自分を探すまで流れる 利休茶碗を抱くやんわりとしっかりと やんわりと妻が握っている尻尾 涙に弱い男とすぐに見抜かれる ... 「手のなかに師・前田咲二❺‥《池に鹿 魁夷の森に迷い込む》(前田 咲二)」の続きを読む
『前田咲二遺句集 平成10年』➍ 心冴える刻をしずかに待つ匠 焼き芋を包むやっぱり新聞紙 疾しいところがなければああは騒ぐまい ひもじくて田辺聖子を食べている 胃カメラに見られるぼくの不行状 わがまま... 「手のなかに師・前田咲二➍‥《小島功のカッパが酒をつぎにくる》(前田 咲二)」の続きを読む
『前田咲二遺句集平成10年』❸ 袋絵の花を信じて種を蒔く トーストも愛もこんがり焼いてます 蕾のうちに摘まむ情けもあるのです 千の手に千の閃き千の迷い その話聞き捨てならぬ 猪口を置き さくらさくら亡... 「手のなかに師・前田咲二❸‥《五十年 夫婦に削るものがない》(前田 咲二)」の続きを読む
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