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画:東山魁夷 (描かれたのは、御射鹿池)

前田咲二遺句集 平成10年』❺
本当の自分を探すまで流れる
利休茶碗を抱くやんわりとしっかりと
やんわりと妻が握っている尻尾
涙に弱い男とすぐに見抜かれる
教会で会った男と寺で会う
母を描けば弥勒菩薩になるだろう
同期の桜歌うといつも泣く男
爽やかな退き際だった惜しかった
沈んで沈んで沈んでやっと楽になる
ジグソーパズルに今をていねいに埋める

枕詞などはいらない恋の筆
唇の動きをじっと聴いている
蒼ざめた伏線があるムンクの絵
闘いをやめた男に影がない
寄り道をしたがるぼくの影法師
セクハラにされそうな手をひっこめる
ミサイルがキムチの臭 撒き散らし
犬かきであなたの岸へたどりつく
平和ぼけの頭をミサイルが跨ぐ
紙のような松茸が歯にひっかかり

あんさんの影も薄いやおまへんか
雲行きで揚げる二つの旗をもつ
夕焼けと約束のある鬼瓦
原爆の溶けた瓦を見ましたか
卒論にジョークを一つ入れておく
卵割る男ひとりの音で割る
池に鹿 魁夷の森に迷い込む
あんさんにはかなわんどないきばっても
倒れた稲を神とふたりで起こしている
坂の途中で味方の数を確かめる



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手のなかに師・前田咲二❺‥《池に鹿 魁夷の森に迷い込む》(前田 咲二)”にコメントをどうぞ

  1. 前川奬 on 2018年10月12日 at 8:55 PM :

    たむらあきこ様
    『前田咲二遺句集 平成10年』❺
    拝読。有難うございます。 
    お疲れの出ませんように。
    前川奬

  2. たむら あきこ たむら あきこ on 2018年10月12日 at 9:53 PM :

    前川奬さま
    ありがとうございます。
    ちょっとパソコンの画面を見つめ続けたせいか、眼がおかしいのよね。
    長丁場になりますので、やはり無理は禁物ね。
    寝たり起きたりしながら、がんばります。(*^^*)

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