下記、しんぶん赤旗12月23日付掲載の一文。
「読者の文芸」この1年 たむらあきこ
「裸木(はだかぎ)よ諸手(もろて)を伸ばし空つかめ」西上文世/いまは葉を落としているが、春にそなえてチカラを蓄えている裸木。我々も希望だけは失わず、困難を乗り越え新しい年を迎えたい。
この1年でもっとも強烈に残るのは、ロシアのウクライナ侵攻と安倍元首相暗殺。
「ヒトラーの道へロシアの独裁者」桑山俊昭/ヒトラーはヨーロッパ征服を望んだが、プーチンはロシア帝国の復活を望んでいるとか。ウクライナ情勢へ世界中の目が集まった。
「ロシアにも大本営があるようだ」都留あき子/「言論の自由殺してする戦」長谷川 節/自国に都合の悪い国内外のメディアを排除するなど、ロシアは「大本営発表」を聞かされた第2次世界大戦時の日本に似てきた。
「渡り鳥戦やめてと伝えてよ」たかぎたかし/渡り鳥は、ロシアなど北方の国から秋に渡ってくる冬鳥。春には故郷へ帰る。ロシアに戦をやめるよう伝えてくれと。
「独裁は民の無言をつくりだす」三隅雅彦/「モスクワに裸の王様の二世」内野健一/プーチン大統領は長年の統治で絶対君主のようになり、真実を伝える側近がいないとの見方がある。帝政ロシアのピョートル一世(大帝)を例に出し、「領土を奪還し、強固にすることは我々の任務だ」と、侵攻を正当化。
「プーチンに持たせられない核ボタン」塩田しづ江/「被爆地にさせてはならぬウクライナ」本間勝/ロシアが核兵器を使用する可能性について、考えるだけでもおぞましい。
「凶弾は癒着の闇に撃ち込まれ」横田博/7月8日の元首相暗殺は世界を驚かせた。しかし、事件後あぶり出された政権とカルト教団との癒着。相互に利用し合うその関係性からは「闇」が生まれるのも必然。政教分離について、糺(ただ)さねばならぬ。