4日から大会(ねんりんピック富山2018 川柳交流大会)と吟行を兼ねて富山県(⇁石川県)にまいります。6日夜帰ってまいりますが、先師の句の抄出が遅れないよう、今日明日と続けてアップさせていただくことに。
本日夕方からのドトールでは、一時間半かけて50句詠んでまいりました。富山の大会での、「雨晴海岸(あまはらしかいがん)」と「歴史文化」という変わったお題。みなさま、富山でお会いしましょう🎶。
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『前田咲二遺句集 平成12年』【16】
条件などない美人で優しければいい
恋の花咲かせる謎を植えている
商いの浪速で粘っこく生きる
黒木瞳が誘えばぼくは従いてゆく
校則に師を殴るなと書いてない
刎頸の友と序文に書いておく
一枚の紙が翼をくれました
右の手に憧れている左の手
平山郁夫の駱駝の列を切る斜陽
誰が何と言おうと日の丸は揚げる
思い切って妻に風呂めし寝ると言う
趣味多彩 名前を三つ持っている
神の国発言 蜂の巣をつつく
父の首に首輪の跡がついている
悔し涙を首のあたりに溜めている
喜寿傘寿まだコーナーはたんとある
匙投げた子へ積み立てる預金帳
五体投地 背のぬくもりは神だろう
黴のようなその無精髭剃りなさい
五十年 まだ殴られる夢を見る
終の眠りは消燈ラッパ聞きながら
腹話術 上手な方が生き残る
あじさいに父を奪った海がある
西郷どんと呼ぶふるさとの箒売り
賞味切れをはずすと男居なくなる
ノックはんの筋書きにない告訴沙汰
ぼくのシナリオ知れば卒倒するだろう
過去は忘れましたとつらい過去をもつ
自画像を描く芯のない鉛筆で
落日の破片 漁っている野犬