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 下記は、先月15日の上野公園での句会(誹風忌)のあと、尾藤一泉氏のご依頼で送らせていただいた嘱目吟50句。氏は、この中から30句に絞って抄出、すぐにメールに添付のかたちで結果を送ってくださった。その選句眼に感動
 このブログをごらんになっているみなさまならどの句を選ばれるか。こういう試みもこれからの川柳を考えるうえで何かの役に立つかもしれないと書かせていただいた。(尾藤一泉氏の選ばれた30句は、掲載の柳誌が出てから発表します) 

上野(恩賜)公園《彰義隊・戦死の墓》吟行50句(2017/5/15)

彰義隊3❶江戸の意地みせて散りゆく彰義隊
❷いまも記憶のなかに騒(ざわ)めく彰義隊
❸変わり目が彰義隊へと節を足す
❹その時のはるかに影が躍りだす
❺幕末の影絵のひとつ彰義隊
❻引き際へ諦めきれぬ摩擦音
❼節のいま彰義隊から照り返し
❽系譜の行き止まりに慶喜公蟄居(ちっきょ)
❾五月十五日江戸の影絵のまだ静か
彰義隊 戦死の墓2❿影を起こしてみれば顔顔 彰義隊
⓫石に刻まれたのも答なのだろう
⓬彰(あら)わせばいよいよ探されるきのう
⓭山王台に二百六十余の御霊
⓮きのうを捲(めく)れば浪士集め指示書
⓯明治改元 葉隠(はがくれ)に距離おいてゆく
⓰墓守の消えて落葉の溜まる墓
彰義隊 墓⓱半生を墓守興郷(おきさと)の素足
⓲墓守の言挙(ことあ)げはせぬこころざし
⓳心情をたどれば影へ影湿る
⓴いまは澄む裏も表も引きよせて
21戦死の墓いまも答が見つからぬ
22幕末へ追伸あるごとく微風
23地中の墓碑起きてきのうが立ちあがる
24戦死の墓かこむこの世の顔あまた
25荼毘の地に問い返されているきのう
26手も足も遠く焼かれているらしい
27いまは風に紛れる済んだことにして
28獄中にていささか声は出しておく
29砦として葉隠 答守られる
30唐銅(とうどう)の墓碑塔たましいの砦
31脚色をゆるさぬ興郷の矜持(きょうじ)
32石の影はいまも忠心なのだろう
33由緒書き銅版碑まだ澄みきれず
陵王234隊士名いくつ立ち聞きされている
35来て並ぶきみもまぎれて影になる
36赦免された影も寄りくる山王台
37戦死者の砦 二百六十六柱
38陵王の差しだす朱色 血の色か
39梵鐘が鳴ってきざはしのぼりつめ
40有縁寺院の梵鐘刀傷に沁む
41火葬場に影をかさねる 誹風忌
陵王42鐘の一打ごとに御霊(みたま)に沁みてゆく
43獄中寄せ書きへ生き残りのカーブ
44半日のいくさへ続篇のながさ
45野ざらしのむくろ集める木下闇
46久良伎翁の貌 陵王の伎楽面
47戦死の墓あたりに嗅いでいる煙
48不忍池(しのばずのいけ)を拾っている暫時(ざんじ)
49月の松から辨天堂を摑みだす
50けふのなほ西郷隆盛像寡黙



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