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鉛筆一つの作品を第一位に採る選者もおられれば没とする選者もおられる。今回の川柳マガジン文学賞で雫石隆子氏に秀6に採っていただいたのが下記の作品。採っていただいたのは氏のみ。ありがとうございました。氏の川柳眼の一端を窺うことができる。ご参考まで。

 因みに、今回もっとも読ませていただきたかった作品は尾藤三柳氏選の秀1、遠藤ゆかし氏の作品「木綿の繭」。残念ながら他の4名の選者の上位三位までに入っていなかったため、読むことができない。この作品は雫石隆子氏選の佳27、新家完司氏選の秀10にも入っている。 

 いろいろな角度から川柳マガジン文学賞の結果を検討することで、より興味深く愉しませていただける。
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 美は乱調にあり   たむらあきこ
なれあいのハグに目の奥覗かれる
真円でいられぬきみを洩る吐息
それからの妬心かきみという矜恃
自虐意識をときどき研いでいるらしい
きみが摘まんでいたのはわたくしの欠片
目礼もできずにきみとすれ違う
背中には悔いのことばも貼りきれぬ
罪びとのようにきのうに繋がれる
ふと気づき後ろ姿をととのえる
美は乱調にありと自分に言い聞かす



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