次の川柳集発刊に向けて苦しんでいる。その中で、『川柳文学コロキュウム創立10周年記念合同句集』を開かせていただいた。50名の作家の各15句。川柳は、人間のどこまでを詠みきれるものなのだろう。川柳を「蕩尽の文芸」とされたのは小池正博氏だが、そのコトバが脳裡に閃く。下記は句集の中の、嶋澤喜八郎氏の作品。
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川柳文学コロキュウム創立10周年記念合同句集から
訂正 嶋澤喜八郎
人間がひしめき合っている寒さ
フライングしたのは影かわたくしか
何見てる何にもと言う春の午後
紫陽花はむらさき逃げ道はこちら
振り返るたびに日傘が小さくなる
蟷螂の斧にうっすら錆が浮く
つまんない握ってたのは夜だった
風船は割るもの夜は割れるもの
向日葵を味方につけていて淋し
朝顔に名前をつけて呼んでみる
疲労感じわり無花果熟れている
ミノムシにつられ告白してしまう
空しさは色を足しても削っても
「ありがとう」逆さ文字書くバスの窓
訂正はしませんインク切れました
「絶対に訂正しない寒卵」
ふらふらとしていた私の俳句への歩みは、上の一句で方向が見えて来たように思います。
伝統川柳から自由律俳句へ、そしてふと飛び込んだ川柳の世界。10数年を経た今、そのよって立つ位置、焦点がゆらぎあやふやになって来たのを感じます。
ここでもう一度原点にたちかえり、「自分を、自分らしく」表現することに徹しようと思っているところです。(大阪府交野市在住)
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