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番傘6月号を送っていただく。「リレー放論」はp104、p105と編集校正の行きとどいた完璧な誌面。菱木誠さん、ありがとうございました。

2160字ということで、すこし長いので、3回に分けて全文を書かせていただく。

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『川柳に何を詠むか』                   たむらあきこ

 川柳を書き出してから12年ほどになる。川柳界で12年というのはまだ始めたばかりというに等しい。
 短歌から詩、俳句にいたるまで、和歌山市のそれぞれの結社に入って勉強させていただいてきた。川柳には興味があったというより、短詩型文芸のすべてを知っておきたいというほどの気持ちで入った。「番傘川柳つくし会」を知人に紹介していただいて出席したのが始まりである。
 私の書く川柳は、良くも悪くも最初から「ほかの川柳とは少し違う」という評を頂いてきたような気がする。
 そのことは「川柳に何を詠むか」といういまも続いている自分自身への問いかけを、とくに意識はせずともすでにその頃から持っていたということかも知れない。

  さみしさが溜まり半開きになった

 大阪や京都の句会に参加しはじめて間もない頃、「草原」の奥山晴生氏に(秀句に)採っていただいた句。
 このような句は地元の句会ではまず没になった。自らをしばる鎖を外し、こころを解き放つような気持ちで書き始めたのだった。

  遮断機の向こうはきっとわらべ歌

 これも没になっていた句。「川柳文学コロキュウム」の赤松ますみ氏に(秀句に)採っていただいた。
 川柳から「こう詠むべき」「こうでなくてはならない」を外さなくてはならない。こころに深く届くことを条件として、選者は句に対峙しなくてはならない。

  約束のように桜が咲いている

 これまでの人生でもう桜は十分に見ている。あとは心象の桜があるばかり。数限りなく詠まれてきた桜を、575にどのように収斂し表現するか。そこを考えなくてはならない。

 

  たましいへ視線合わせにくる人形

 何を詠むか。私という人間のすべてを17音字に込めたいと思う。にんげんの営みのほんの表層を詠むのではない。「人形」と向き合ったときのように、ふかく自分の中のにんげんとも向き合わなければならない。

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