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 12月16日、政権は民主党から再び自民党へ。圧勝のあと、安倍政権は「女性宮家」案の白紙撤回へ。尖閣問題が喫緊の政治課題。四方八方我々を取り巻く状況を考えれば目出度くもないが、正月は正月。この国の習慣に従って年末には年賀状を書き、あるいは「おめでとうメール」を入れ合った。
両の手に受ける若水のきらきら               

七重八重とぐろを巻いておらが春              石花菜
 「オメデトウ」も、いま我々が抱え込んでいる諸々の問題を考えれば声に力もない。まさに黒く蛇が「とぐろを巻いて」いるような日本の春。
どんぐりを拾い集めている組閣                准一
オキナワも拉致もお蔵に入れました             郁郎
 胡椒でも振りかけて少しは締めてやりたい民主党。「オキナワも拉致も」一向に進展がない。まるで薄っぺらい紙芝居を見ているような政治。
小沢さん琵琶湖で鯛を釣りあげる               ひろし
嘉田さんの二人羽織の手は誰か               茶助
蜘蛛の巣に触れてしまった嘉田未来             全澄
 裏で操ることは小沢さんのお家芸。嘉田知事の衣の下にちらちらと見えたのは壊し屋の鎧だったか。
どの党とくっついたのか冬の雲             田口和代
無理のある党のくっつきかたである              克子
 十二党。正体はまだ見えていない。週刊誌を買うたびに新党の党名が増えている。
サイコロの上がりは透けて見えている         松山和代
ひょっとことおかめで越える選挙戦              早人
ポスターに並ぶ公約のご馳走                  寿子
 昨日の友は今日の敵。総選挙に向けて、絵に描いた餅を売り歩く候補者たち。何枚もの舌で、勝つためには嫌な奴とも手をつなぐ。週刊誌を読めば選挙の結果はもう出ている。
トンネルも橋も私も老朽化                    わたる
天井が落ちてこないかマイホーム               完司
我が家の天井をかなづちで叩く                斗酒
 笹子トンネルの天井板落下事故。経年劣化ということを忘れてはいけない。そういえば海底を通る古いトンネルもあるが、安全性はどうなのだろうか。
そない早よ逝ってええんか勘三郎              八斗醁
討入りの勘三郎の声響く                     智彦
 生き急ぎ死に急ぎした勘三郎。還暦も迎えずに天国に行ってしまった。これからというときに、本人の無念は如何ほどか。
でんぐり返ししてたら若いまま死ねる             牛延
 名優森光子も逝った。味噌汁をすする度にしばらくはあの「日本のお母さん」の顔を思い起こすことだろう。
原子炉はブラックホールに廃棄する             洋子
卒原発男に任せてはおけぬ                  あやみ
核の傘の下で原発論議する                  尚
脱・廃・卒越える言葉はおまへんか             浩二
 福島の原発事故から全国に広がった「脱・廃・卒」原発への論議。産む性である女性は「核兵器」も「原発」も出来ることなら無いほうがよいと思う。いつかそんな日が来ると信じたいが、いまはまだ夢なのだろうか。
大寒む小さむ息災願う大根だき                紀乃
おでん屋はあべのハルカス50階               一筒
 寺でいただく大根だきの甘さ。濡れ落ち葉の張り付く寒い道を歩いていると、ふいにおでんが食べたくなったりする。冬には冬の食の楽しみがある。
プリンターがすねて手書きの賀状出す            久美子
親類が減って少ないお年玉                  義
 いつまである命かと、年賀状を書く度に思う。ことしはパソコンにメールの賀状も届いて、時代に少し触れた気がした。「無縁社会」とも言われる現代。親戚付き合いもだんだん減っていく。少子化といっても、貰える人が少なくなればお年玉も減る。

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