課題「時効」
特選
押し花にして時効まで眠らせる 句ノ一
秀作
時間だけ走っていった傷のあと 山倉 洋子
髪も伸びましたあなたを許します 居谷真理子
桃だった時の話はもう時効 米山明日歌
雑詠
特選
方舟に乗れるだろうか高齢者 上原 稔
秀作
人工知能よそんなに背伸びするでない 上嶋 幸雀
オバマ氏の台詞がヒロシマに染みる 笹倉 良一
ごめんねに境界線が澄んでくる 岩田 康子
選後感想 たむらあきこ
課題特選、「押し花」になったのは所謂恋の〈遠花火〉だろう。そのカタチを、痛みが消えるまで記憶の底に残そうとする作者。秀一、「傷」は癒えたのかどうか。そんなことは関係なく「時間」が傷跡の上に積みあがる。秀二、失恋で落ち込んだ気持ちから立ち直るため、髪を切った。その髪も伸びたので、もう時効だと。秀三、「桃」は、傷付きやすい若い女性の暗喩。いまは大人だからと。
雑詠特選、高齢化社会。様々な問題が日々メディアを賑わす。「方舟(はこぶね)」は暗喩。定員のあるところを食み出してしまう、団塊世代の老人たちの未来への危惧。秀一、〈知情意〉が揃っていてこその人間。「人工知能」が人間の〈知〉だけを超えてくることへの危惧。秀二、改めてオバマ氏のスピーチを読むと、沁みるものがある。核廃絶を世界に発信。秀三、「境界線が」「澄んで(くる)」がよい。「ごめんね」が氷解させた拘り。
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