龍神温泉吟行40句(2018/5/23~24)
竜のいまピクリとうごく 日高川
渓流のねじれ 竜神よこたわる
夕ぐれの雨脚 せせらぎと競う
外湯まで竜を渡っているところ
よくしゃべる口だ かけ流しの口だ
きのうのことを竜に呟かされている
拡げている いつもわたくしだけの地図
温泉郷の雨 竜神に抱(いだ)かれる
行先ももらさず龍の中にいる
封印のきのうが手足だしてくる
わたくしの立ち居に伝う無色透明
障子あけ雨か 雨ではない瀬音
水音が光る 夜となく昼となく
口を噤んで霞きのうをたなびかす
きのうから離れきれない息ばかり
もうすこし居たくてぐずぐずと枕
【曼荼羅の滝】
曼荼羅の滝へきのうをさがす足
行先をさがしに潜る木下闇(こしたやみ)
潜りゆく わたしに制止されながら
鬼門かもしれない滝音をつかむ
山のすき間に滝の位置耳の位置
きのうをでてくる音か滝音
滝音が拡がる たましいの時間
岩角(いわかど)に凭(よ)り木の根にも坐し
木々にかこまれる 残党狩りらしい
一閃の刀身 きっと滝だろう
落ち延びたきのうが滝音の廻り
逝ったひととのきのうばかりに立てこもる
天誅組を引きよせ滝に近くいる
間隔を云わず きのうが死んでゆく
いきさつを落としてとうにみな若葉
巻かれているのは水音か竜神か
わたくしの中が抽象論になる
産声あげるまでくらやみを這うだろう
曼荼羅をほどけば黒髪のながれ
何を出る音か滝音 白い花
影をはずして曼荼羅の隅にいる
曼荼羅の滝迸(ほとばし)るきのうから
滝音のなかにきのうの水中花
悔いひとつ小滝が握りしめている
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