『前田咲二遺句集 平成12年』【17】
手ぶらでは行けぬ招きへまだ迷う
コップ伏せ言うておきたいことがある
百円ショップで中途半端を買ってくる
社長のようなバイトのような仕事です
いざというときには太くなる絆
外野の声を拾い集めているマイク
揺れているのに親も教師も気付かない
ひまわり整列 号令かけてみたくなる
多情多恨 帰る港が二つある
真剣な嘘 真剣に聞いてやる
妻のカーブにバットが合ってきたようだ
ぼくに見切りをつけたか影が走り出す
だんじりが派手に壊してくれはった
徒党組む女に勝てる筈がない
キムタクとぼくの遺伝子どう違う
添えてある似顔がおもしろい名刺
人脈の端でやがてを待っている
修羅をくぐった傷がいくつもある仮面
ひょっとこの仮面はいつも泣いている
百叩きぐらいは覚悟してる恋
話しかけると雲亡父になり亡母になり
妻子という銃を突きつけられている
群がって柩のぞいている 他人
忘れたら忘れたときのことにする
内湯から外湯へ月が美しい
ついでに言うておくがときついことを言う
思案した揚句の喧嘩なら買おう
素手でつかむめしのうまさを知ってるか
玉虫色の袋に四島を包む
地下鉄を上がってどっと秋に逢う
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