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瓦版平成19年11月号(巻頭言)
  扇風機仕舞うな油断召されるな  矢次 睦枝
  暑かった日々ウソのよう茶を啜る  出原 正夫
  歓声あげて稔田走るコンバイン  森下 文子
  ‥‥‥‥‥‥‥‥省略‥‥‥‥‥‥‥‥
 10月中に「よみうり時事川柳」に載った句である。いずれも身辺些事を詠んでいる。どの句にも「季語」が入っており、四季の移り変わりを詠んでいて、俳句のようであるが俳句ではない。単なる自然諷詠ではなく、句の中に生活が入っている。川柳はこれでいい。なにも政治や経済、国際問題を詠むばかりが時事川柳ではない時事川柳はむずかしいと言う人がいるが、もう一度身辺に目を向けてあなたの「今」を詠んでいただきたい。
‥‥‥‥‥‥‥‥省略‥‥‥‥‥‥‥‥            ーー前田 咲二ーー

瓦版平成20年3月号(巻頭言)
時事川柳の定義                     前田 咲二
 姫路市の姫路文学館主催、〝播磨文芸祭〟から依頼があり、「時事吟の魅力ー私と時事吟」という演題で話をする機会を得た。事前に、「時事川柳の定義」について、「川柳総合辞典」(昭和五十九年、雄山閣発刊)を調べてみた。

 時事句 時事の「時」は現在、「事」は客観的事象で、時事句とは、眼前に生起するアクチュアルな事象を、ある限定された時間の中で捉えた句ということになる。限定された時間というのは、対象に向けられる一般的な関心度がピークにある時で、それより早すぎても遅すぎても、作品的効果は弱くなる。時事句は絶えず新しい対象を求めて、生の時代相を反映することで、同時代に生きる読者の端的な共鳴、共感を得る反面、時間の経過とともに対象への一般的関心が薄れる度合に応じて、作品も〝消えてゆく〟という宿命を併せ持っている。(後略)

 本書における時事の解釈は非常に狭義であり、日々ニュースとして登場する政治、経済、国際、社会面の出来事のみを時事として捉えている。従って生まれる作品の寿命も、対照(ママ、誤植?)となる事件の消滅とともに、〝消えてゆく〟ことになる。私は「時事」をもっと広義に解釈している。昨年11月号の本誌にも書いたが、現在を生きているあなたの生活そのものが時事である。「いま」のあなたの一挙手、一投足を5・7・5に詠み上げていただきたい。
‥‥‥‥‥‥‥‥後略‥‥‥‥‥‥‥‥

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