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 筒井祥文氏のファイル9「ナマの喜怒哀楽でよいか」から。
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 「ナマの喜怒哀楽でよいか」
   喜怒哀楽の途中で食べる昼ごはん           小川 加代
 …川柳の出どころは思念の層であると私は考えている。生きていれば弥が上にも喜怒哀楽を味わうこととなる。掲出句がいうように、いかに喜ばしくとも哀しくとも我我は日常生活を始めねばならない。そしてその喜びや哀しみは心の底に腐葉土のように降り積もり、木の葉がその姿を溜めないのと同様に個々の感慨は抽象化されよう。その堆積された層がここにいう思念の層である。その層は自ずと百人百様であり、それを人格という言葉に置き換えても何ら差し支えなかろうと思う。
 日常生活上の何かに触発されて、その思念の層から再び言葉を取り出す営為が川柳であろう。だから私流に川柳を定義するとなれば、思念の層から言葉を取り出して五七五の形式にした韻文ということになる。従ってその川柳なるものが多義性を、または多面性を帯びる一面があることはごく自然なことなのである。(筒井祥文)
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 祥文氏に以前秀句に採っていただいた私の句に、掲出句に似た《転生の途中ですするかき氷(「たむらあきこ川柳集2010年」収録)がある。祥文氏は、掲出句を次のように鑑賞。(抜粋)
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 …熟語でもことに四字熟語は意味性が強いから、それを使った句は意味性に引っ張られて、結果としてその意味の私的な解釈を提示しただけの句に終わることが往々である。しかしこの句は、そこらあたりを軽くクリアしている。
 気付くことは「喜怒哀楽」と「昼ごはん」とが拮抗していることであるが、いずれも人間の本能に由来しているのだから当然である。しかし、では朝ごはんでも夕ごはんでもよいかとなれば断然「昼ごはん」である。それは「喜怒哀楽」の「途中で食べる」からであり、午前中の喜怒哀楽にひと区切りをつけて、昼ごはんの後に再び喜怒哀楽を始める、と読めるからである。人間はいかに喜ぼうと哀しもうと食べねばならないという現実を誇張したものが「途中で食べる」なのであり、その誇張が句に諧謔味を与えたといえよう。そしてその諧謔味により「喜怒哀楽」という語が抱えている達観性を逆手に取ったことが、この句の手柄なのである。つまり四字熟語の私的な解釈の提示ではなく、作者はその熟語に新しい意味を付加したことになる。 
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 私の《転生の途中ですするかき氷》をも、鑑賞していただいているような気分になった。下記は「天守閣6月号」を熟読、こころに留まった10句。
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  二つ目の箱に本音を入れました        立蔵 信子
  ニュートンの力を借りて生きている       炭蔵 正廣
  あなたとはガラスの割れる音がする      菱木  誠
 曲折の果てに階段だけ残る          筒井 祥文

  即答のできる階段だとわかる          立蔵 信子
  行列へパン屋のパンが姦しい          板野 美子
  場外に群れる蹄のある男             筒井 祥文
  しびれるように退屈ビビデバビデブ       森田 律子
  原っぱのこんなところにいたたまご       炭蔵 正廣
  四月を割って夢が孵化する           森吉留里惠

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柳誌一冊を読み切る…(「天守閣」6月号)”にコメントをどうぞ

  1. 伊東志乃 on 2013年5月31日 at 10:24 PM :

    あきこ様に読まれていると思うと、少し恥ずかしい(^^;)
    もっと吟味して出すべきだったと反省(_ _ )/ハンセイ

    鉛筆で誤魔化したあきこ様、そんなあきこ様が大好きです(^^)

    • あきこ on 2013年6月1日 at 11:19 AM :

      伊東志乃さま
      今回は、選の網目を漏れました。(ゴメン)
      天守閣誌を見て、新たに参加する大会が一つ増えました。神戸・元町での「現代川柳 第3回 川柳大会」。しっかり柳誌を見ておかないと、見逃す大会がありますね。
      ふだんは選者の顔ぶれをみて、よく考えてから決めています。今回はほとんど知らない方ばかり。

  2. 伊東志乃 on 2013年6月1日 at 5:25 PM :

    いえいえ、その様なことはお気になさらないでください(^^)
    ただ、どこの選をなさったのかもわからない、疎い私ですから(^^;)

    • あきこ on 2013年6月1日 at 5:39 PM :

      伊東志乃さま
      選、ではなく、本日のブログの10句に入っていないこと。(これも、一応選なので)
      また、まとめて鑑賞させていただくこともあるかと。
      注目しています。ところでいそこさんは体調でも悪いのかな?

      • 伊東志乃 on 2013年6月1日 at 10:05 PM :

        ごめんなさい、送信した後で気がつきました(^^;)
        はい、これからはもっと神経を立てて投句したいと思います(^^)

  3. 伊東志乃 on 2013年6月1日 at 5:37 PM :

    転生の途中ですするかき氷

    私もよく転生の句を書きますが、恐れ入りましたm(__)m
    なるほど、この様に書ければな~~~って感心しております(^^)

    • あきこ on 2013年6月1日 at 5:51 PM :

      伊東志乃さま
      選者によっては、完全に没でしょう。
      祥文さんは私より若い(TT)ですが、かなりの才人。
      句もうまいですが、披講も面白く、また選もいいので、うちの「咲くやこの花賞」のレギュラー選者をお願いしています。
      アタマが固くなって川柳が書きにくくなってくると、京都の「ふらすこてん」でシャッフル(?)してくるといいですよ。

  4. 伊東志乃 on 2013年6月1日 at 10:42 PM :

    「ふらすこてん」のホームページを見ました(^^;)
    すごいですね(◎-◎;)半分は分からない(;゜)ウッ!
    でも、面白い\(^O^)/
    でも、富山じゃまったく理解されない(^^;)
    それはどうでも良いのですが………
    参考になりました(^^)ありがとうございましたm(__)m

    いそこさんは元気だと思いますが、忙しいのかな?

    • あきこ on 2013年6月2日 at 9:45 AM :

      伊東志乃さま
      お返事遅くなってゴメン。
      面白いでしょう?
      いろいろな川柳を読ませていただいて、いろいろと影響もいただいているわけで。川柳は前を向いて、前に出て行かねばならない。内容も世俗的なふるい価値観を引き摺ったままではいけません。

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