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 自分の言葉で詠まなければならない。既成の熟語などはなるべく避ける。流行語もなるべく使わないほうがよい。
 既成概念にとらわれた句はいただけない。例えば、「秋はもの寂しい」「嫁姑は仲が悪い」など。観念が拭えない頭で詠まれた句は総じてつまらない。すべてを捨て去って白紙になり、心というキャンバスにもう一度「秋」を映してみることである。「嫁姑」を考察することである。観念から出た句が心に届くことはない。下記は鈴鹿インターネット句会「布」の秀1に採らせていただいた句。

    雑巾が乾いたままの独り者       佐藤 千四

   【評 「独り者」は男。殺風景な部屋でコンビニの弁当などを食べている。心の中に砂漠がないわけではない。「雑巾が…」の比喩が秀逸。】

 「雑巾」でそれも「乾いたまま」という、「独り者」の隠喩がよく効いている。これは作者(独り者)の実感だろうと分かる。観念では詠めない句。自分の言葉を探すことが、句作におけるもっとも重要なことであるという一例。



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鈴鹿インターネット句会「布」の秀1の句”にコメントをどうぞ

  1. りょーみさすけ on 2012年10月18日 at 5:53 PM :

    〔最新ニュースの川柳的感想〕
    面白くないおもろい話。自民党の石破茂氏が各長老へ幹事長就任の挨拶回りをしたときのこと。それぞれ、平均10分程度の面談だったが、伊吹文明氏との会談は1時間を要した。会談の内容は簡単に言えば、堅物の石破氏に対して、文明氏が「幹事長とは柔軟でなければいけない」と”幹事長の心得”をコンコン?と一時間教示したという。
    石破氏は、どんな顔で聞きいっていたのか「肝に命じて」と応じた。
    何が面白いかというと、名前がおもしろいのである。
    やわらかい石破と、明日待たるるいぶき文明なのですよ。
    表面だけを見ていたら本心は見抜けません。川柳は世の中をおもしろくする為本心のほうに触れていく。お二人は自民党の中でも、とてもいい人。石破氏の顔に少しユーモアがあればと思うだけであります。
    ※ 雑巾の句は、ユーモア句なのでありましょうか。鬱屈した暗い句なのでありましょうか。

    • あきこ on 2012年10月18日 at 8:44 PM :

      りょーみさすけさま
      少し自嘲のある、暗い句でおます。(あきこ的にはコレ京都弁)
      ユーモア句はよほどでない限り秀句には採りまへん。(採らない、という意志ではなくて心に届かない)
      でも、それでは息が詰まるので、たまに強いて採ることもあるかも。ユーモア句で秀1を採れたら大したもの。平抜きくらいならいくらでも採りますよぉ~。
      大阪川柳大会ではにゃんの秀句を狙っておくんなまし。(これは何弁?)
      いままでの秀句にヒントがありますよ。ではまた。

  2. 泉水冴子 on 2012年10月18日 at 6:30 PM :

    あきこさま
    いつもありがとう。柳歩さまに何とか一句採っていただきました。
    次はがんばるぞ~~といつも思うのですが、なかなか難しいですね(^。^)y-.。o○

    • あきこ on 2012年10月18日 at 9:06 PM :

      泉水冴子さま
      鈴鹿インターネット句会、真剣勝負の場になっていますね。
      みなさま、なかなか巧いです。続けて出句をよろしくお願いします。
      出句される方々も選者も闘いです。「心に届く」句を、次回またよろしくお願いします。「布」は男性諸氏にとっては少し難しかったかもしれませんねー。

  3. 高杉千歩 on 2012年10月18日 at 10:48 PM :

    こんばんは!
    お蔭さまでやっと「気管支炎」から抜け出しました。
    声の出ない事が、どんなに大変なことかと思い知りました。
    携帯メールに救われました。
    凄い良い時代に生きている幸せを感じました。

    中尾藻介さんとは、大の仲良しでした。二人の写真も何枚か大事にしています。判も沢山彫って頂きました。

    「妻に字を聞いて知ってたことがなし  藻介」

    この句が大好きで書いて貰い、未だに掛けております。
    穏やかで愉快で楽しい方でした。

    「東野大八さん」をご存知ですか。凄い文筆家です。

    鈴鹿インターネットは残念でした。休まず頑張ります。

    しとしと秋雨の寒い1日でした。
    お疲れのないようお大事にお過ごし下さいませ。    

    • あきこ on 2012年10月19日 at 2:22 AM :

      高杉千歩さま
      気管支炎、治りましたか。よかった。
      体調が悪いと何もできません。これからも体調には充分に気をつけていただきますよう。画も続けてがんばっていただきたいですね。ネットで拝見して、幾つかには見入ってしまいました。
      中尾藻介さんとお友達でいらっしゃったのですね。東野大八さんもお名前だけは存じ上げております。
      鈴鹿インターネット句会は、あと2回で私の選が終わります。次回も続けてよろしくお願いします。

  4. 佐藤 千四 on 2012年10月19日 at 9:28 AM :

    おはようございます。
     いつもご指導ありがとうございます。今回は拙句をご評価いただいて素直に喜んでいます。

    りょーみさすけさま
     ご注目光栄です。日常の私を美化しようとは思いません。それがユーモアに映ればそれはそれで私の本懐です。あきこ先生の評はまさに的確です。
     雑巾とは実は私なのです。

    • あきこ on 2012年10月19日 at 11:42 AM :

      佐藤 千四さま
      コメントをありがとうございます。
      句の中に作者の人生がなければ、読者に訴えかけることはできません。川柳を面白おかしくする必要はありません。
      「雑巾とは実は私なのです」と仰るとおり、そのままを詠んでゆかれてよいと思います。「雑巾の私」にこそ共感の声が上がることでしょう。川柳人としての生き甲斐はそれで充分かと。

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