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 せんりゅうくらぶ翔 は三重県亀山市の〈風〉。発行人・事務局は大野たけお氏。編集人には松嶌聖一、相馬まゆみ、宮村典子、柳緑子の各氏が名前を連ねておられる。三か月間近詠の鑑賞をお引き受けした。柳誌・作品のご紹介を兼ねて、ご参考まで。
せんりゅうくらぶ翔12月号より
万華鏡            川柳瓦版の会  たむらあきこ
★やめようよ影をかついで歩くのは 樋口  仁
 かつぐ「影」とは何だろう。「引き摺る」のなら分かるが。否、やはりそういう「影」だろう。過去の「影」。

★そこそこの幸せ食べる旅をする 松本 淳子
 「そこそこの幸せ」が「食べる旅」だと言う。所謂グルメ旅。庶民にとっては、ささやかな楽しみ。

★納得をするまで口にしゃべらせる 板橋 柳子
 「口」は作者自身の「口」だろうか。喋ることで自身を「納得」させる。しゃべっている相手の「口」を客観視しているともとれるし、独り言かもしれない。

★明日も舞うために買い足すあれやこれ 浅利猪一郎
 「舞う」は「生きる」。いまあれこれ買い足しているのは「明日」を生きるためであると。一人一人にとっての生きることの切なさ。

★フェロモンをベリーダンスにいただこう 浅利猪一郎
 「ベリーダンス」は腹部をひねったり腰を振ったりする、中東風の官能的な女性の踊り。そんな踊りに「(性)フェロモン」をいただいて、是非とも若返りたいものだと。

★福祉策先がよめずに杖まとう 中山 秀子
 「福祉策」が「杖」を纏っていると言う。「杖」が欲しいほどヨロヨロしているのは、まずは国の財政の貧困によるもの。

★疑心暗鬼のトンネル出口まだ見えず 中村 まゆ
 「疑心暗鬼のトンネル」とはこじれた人間関係からくるものか。なかなか解決という「出口」には辿り着けない。

★イャ~ンと言って閉まった冷蔵庫 菅山 勇二
 そういえば、「イャ~ン」という声を聞いたことがあるような。「冷蔵庫」が拒否したのは何か。中が汚れていて恥ずかしいから早く閉めて、ということだったか。これ以上食べてはいけないという、肥満への緩い警告だったか。

★パソコンの忠告いつも意味不明 菅山 勇二
 アナログ世代にとってパソコンとは苦手の最たるもの。なんとか操ってはいるものの、ときどき出現する「パソコンの忠告」、それも用語の意味から調べないと分からない。

★赤トンボいったいどこに止まりたい 伊藤千代子
 「赤トンボ」の動き。スーイスーイと何を考えて飛んでいるのか。作者も自身の行きたいところが何処なのか、これから何をしたいのかよく分からないときがある。

★昇天をしても良さそう羽根布団 前田 賀信
 「羽根布団」もピンからキリまで。高級な物になると手が届かない。それでもその中で「昇天」までは普通思わないかも。

★追伸から伝わってくる息遣い 広森 多美子
 どんな「息遣い」なのか。「追伸」というだけで、手紙の主の伝えたいという強い意思を作者は受け止める。

★早朝を未来に向かう部活の子 本城 恵美
 「未来に(向かう)」がよい。「部活」を通じて成長してゆく「子」。そこに「子」の力強い「未来」も見えてくる。

★色褪せた子の表札を拭いてやる 本城 恵美
 「子」の家を久しぶりに訪問した母親だろうか。忙しくて「表札」を拭うこともない子に代わり、お節介かもしれないがとそっと「拭いてやる」母。

★降りだした雨の静寂をいただく 松嶌 聖一
 音の無い「雨」。窓外の「雨」の雰囲気に包まれる作者。聞こえていた巷の喧騒が「雨」に消されてゆく。「いただく」が巧い。

★知るという喜びもあるまわり道 新 万寿郎
 「まわり道」がいけないということはない。「まわり道」したことによって「知る」ことも多いと。むしろ「まわり道」にこそ人生の醍醐味があるとも言える。

★不満足だから明日へ生きられる 新 万寿郎
 〈穿ち〉。たしかにいまが満足なら、むしろ「明日へ」生き抜くチカラが弱くなりそう。軽い飢餓感こそが「明日」へのジャンプ台になる。

★二者択一なら人間の方をとる 宮村 典子
 何と「人間」との二者択一なのか。やはり(人間以外の)動物だろう。どちらかを択ばなくてもよいのなら、作者は鳥にもキリンにもなってみたいのだ。

★過呼吸になりそう群れの中にいて 宮村 典
 発想的にはいままでにある句。人間がときどき煩わしくなる作者は、大勢の中では息苦しい思いでいることが多い。

★明日はいつも曇りガラスの向こう側 大野たけお
 「一寸先は闇」という。「曇りガラス」の「向こう」にある「明日」の何という危うさ。人間存在の不安ともいうべきものを感じさせる一句。

★太陽が話せば何を言うだろう にしだちせ
 作者の発想は、大人を超えている。「太陽」は、人間の飽くなき欲望を戒めているように思いませんかと。地球上の生物の営みを黙って眺めてきた「太陽」。

★空に描く小さな夢をながめてる にしだちせ
 「追っている」ではなく、ただ「ながめてる」。この辺りに「大人」の作者を感じる。「夢」は「夢」として、醒めた眼で見ている。それも「小さな」と。理知的で物事に溺れない性格なのだろう。

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三重の風‥せんりゅうくらぶ翔②”にコメントをどうぞ

  1. 茶助 on 2014年12月16日 at 1:05 PM :

    ご無沙汰ァ~ いつまでも少年の心を持っている茶助でございます。
    少年の心とは……何でもないことに疑問を持ち、答を欲しがる心です。
    「ボクは何処から生まれたの?」 
    「キャベツだよ」と言った母の言葉を、今でも信じている私です。
    そこで質問。
    先日、句会で選者が「手袋」を「足袋」と見間違えた問題です。
    手袋は「てぶくろ」と読むのに、足袋は、どうして「あしぶくろ」と読まないのか?
    どなたか答を教えて下さい。面白い答を待ってま~す。
    オヒサ☆^ヽ(*゚∀゚)乂(゚∀゚*)ノ^☆オヒサ

  2. たむら あきこ on 2014年12月16日 at 3:34 PM :

    茶助さま
    茶助ファンが「待ってましたぁ~♡」と喜びそうな質問ですね~。
    あきにゃんはちと忙しいので、用事を済ませてから考えることに。(明日からまたまた伊勢神宮吟行だもんね)
    寒い中、せっせと詠んでまいります。もう少ししたら全国から人波が伊勢神宮に押し寄せるから、いまのうち。いまならメチャ空いているからね。

    で、まだまだ片付けにお忙しいとは思うけれど、「戻ってきた茶助さま」がこのブログにカツを入れてくださることを期待。(^o^)/

  3. 雨森 茂喜 on 2014年12月16日 at 7:24 PM :

    男性ですが佐助ファンです。寂しかったです。
    あきこVS佐助の血を見る争いを期待します。
    少年への答え。
    「足袋はタビと読まないと福助足袋の社長が困るからだよ」

    • たむら あきこ on 2014年12月16日 at 7:43 PM :

      雨森 茂喜さま
      あはは。まずあきこからお返事。

      >あきこVS佐助の血を見る争いを期待
      待っていてね~(何のこっちゃ)。
      うちの茶助おにーさまからもすぐにお返事があるでしょうから、お待ちください。
      お風邪を召しませんように。(^◇^)

  4. 茶助 on 2014年12月17日 at 9:57 AM :

     茂喜さん!
    キタ━━━y=-(゚∀゚)・∵.━━━ン!!! 面白い !!!
    期待通りのしげきです。座布団二枚差し上げます。
    では、次の問題です。
    「ネコのヒタイほどの庭」という古い言い方がありますが、
    この表現が出来る庭の広さは、どれくらいでしょうか?

  5. on 2014年12月17日 at 9:57 AM :

    ご無沙汰しています。時々ヒザポン忘れています!!!
    孫娘が病んで、バタバタ。全快してゆっくりブログ巡りをしています。
    句評、勉強させていただいています。(何度も読み返すつもりです)

    いきなり面白い書き込みが飛び込んできましたね・・・・
    足袋面白いですね、どんな答えが出て来るか楽しみです。

    諸説ありますが、これが有力です。手袋は自分で身に付けます。一方、足袋は用人に履かせます。その際、「あしぶくろを履かせ」と言うのは面倒です。よって「たびを履かせ」と短気なお殿様が言いました???
    もう一つの説、旅に出るときに履くから「たび」と言ったそうです???

    • たむら あきこ on 2014年12月20日 at 11:05 AM :

      繁さま
      いつも読んでいただいてありがとうございます。

      お孫さんが全快、よかったですね~。
      私はまだ孫もいないのですが。
      孫娘って、可愛いんでしょうね~。(^o^)

  6. 茶助 on 2014年12月17日 at 4:22 PM :

    (*-д-)ノ□~i_(∀+`*)ナルホド 
    なるほど。繁さま、新説ありがとうございます。
    ところでこの新説を持ち歩いて、逮捕されることはないでしょうか?

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