誌上競詠「咲くやこの花賞」26年度 第7回「帽子」 三宅保州選
軸
ハンティングの愛の線条痕一致 三宅 保州
天
帽子からはみ出す雄鶏のトサカ 井上 一筒
地
そしてまた戦闘帽に旗を振る 柴田 園江
人
帽子屋で丸い頭を買ってきた 月波 与生
B型と防空頭巾に書いた母 木村 宥子
随一の秘密兵器という帽子 佐波 正春
つば広の帽子で見えぬ空がある 木村 宥子
かぶったら無邪気になれた野球帽 都 武志
隠しごと帽子の下にあるんです 松田 夕介
風に飛ぶアンの帽子がズームイン 坂本 加代
あの夏をずっと探している帽子 井本 健治
ウィッグ載せる帽子のアラカルト 山田 順啓
補虫網とセット麦わら帽躍る 有田 晴子
悔しいがここは脱帽他日期す 森清 泰範
それぞれの理由があってニット帽 毛利 由美
嫉妬した風がさらっていく帽子 牧野 芳光
忘れた帽子飲み屋の壁でボクを待つ 北田のりこ
まだ早い父は帽子を振るけれど 米山明日歌
オムライスぽってりケチャップの帽子 西澤 知子
旅に立つ帽子斜めに被るくせ 島田 洋審
ふたごころあるリバーシブルの帽子 荻野 浩子
山下清になったつもりのベレー帽 鈴木いさお
逆光へ真夏の帽子ゆがみ出す 山本 昌乃
山高帽はチャップリンへのレクイエム 鈴木いさお
時々は国の訛が出る帽子 くんじろう
不義理した帽子が重く目を伏せる 上山 堅坊
ナースキャップやさしい角度だったのに 河村 啓子
過去帳に帽子被した跡がある 谷口 義
君の帽子に心臓をつかまれる 中前 棋人
鉤括弧外し帽子は脱いでおく 高浜 広川
ヘップバーンの帽子フルーツアラモード 石橋 芳山
帽子さえ替えれば変わる自己主張 高浜 広川
メルヘンを帽子の中で孵化させる 田岡 弘
自画像の自分に入り込むベレー たむらあきこ
皺くちゃな帽子プライドだけ残る 池部 龍一
頭だけ残し帽子は銀河まで 平尾 正人
流行らない帽子が父によく似合う 真鍋心平太
思い出を食べた帽子が鳥になる 藤井 寿代
暗示にかかろうオードリーの帽子 竹内ゆみこ
蓮の葉の帽子河童の皿亀裂 北原 照子
飛んできた帽子拾ったのはケルン 北原おさ虫
駅長のタマの帽子はカツオ節 美馬りゅうこ
へのへのの麦藁帽が朽ちて秋 平田 元三
こんな日もあるさと帽子深くする 青砥たかこ
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