吟行も、1回では時間も足りなくて自在に句が詠めない。その地への感動が薄れないうちに、日を改めてもう一度出かけてみたくなる。その地の歴史・文学を充分に勉強してからの、2度目3度目の吟行を大切にしたい。私の中の何かが掴んだものを、(短歌でも俳句でもなく)川柳に詠む。
3度目の伏木(高岡)吟行。再び大伴家持のまぼろしを追いながら、立山連峰を詠む。この霊山を拝するだけでも富山に行く価値はある。ただ、姿が見えるのは年間50日ほどとか。そのうちくっきり見える日となると更に限られる。立山連峰に逢いたい、人にも会いたい。その気持ちが、私を押す。家持も同じ気持ちでこの地に越中国守としての5年間を過ごしたのだろうか。
下記は、前回の吟行から15句。
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俤(おもかげ) たむらあきこ
立山(たちやま) と向き合うわたくしの荒磯(ありそ)
東風(あゆのかぜ)すさぶきのうへ戻るとき
渋谿(しぶたに)の崎に寄せては返す哀
惟神(かむながら)置く雪の稜線
山なみの太刀(たち)の辺りにきみを置く
立山の磐(いわ)の条線から翳る
雪は斑(はだら)に偲ぶ在りし日
漂流のきのうが打ち寄せる磯廻(いそわ)
堅香子(かたかご)はむらさき八十(やそ)娘子(おとめ)の羞恥
六弁の花をこぼれているきのう
嘶(いなな)きは国守か古(いにしえ)の磯廻
渋谿の崎の立山きみを待つ
鳥の声何処かと問えば水に影
弓張り月は天平二上山(ふたがみやま)尾の上(え)
射水河(いみずがわ)ほとりに家持(やかもち)の思惟(しゆい)
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