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2019/9/13 神宮観月会吟行21句
冷泉流(れいぜいりゅう)につづく地酒を噛んでいる
献詠のきみのきのうに淡い月
したためた懐紙に香るうたごころ
語尾をのばして長月をひびかせる
読まれゆくうたの意を訊く青い耳
言の葉のふわりきのうの海に浮く
きのうもすこし座にひきよせて月をまつ
針の無い時計のようにうたいつぐ
講頌(こうしょう)の唱和へ区切りつけている
唱和いくたびひびきがかぜに伝播(でんぱ)する
笙(しょう)も篳篥(ひちりき)も整いながら澄む

ややくすむきのうが笙の息にのる
鳥の甲(かぶと)武人の黙(もだ)を舞っている
白い顔を舞うのも貴德なのだろう
月も貴德もわたしも一人舞だろう
長月の窪みに月はかくれたか
奏楽の〈急〉にとき解(ほぐ)されている
萌葱色(もえぎいろ)を迂回してゆくきのうまで
月のない夜の 月をみている走舞まで
口を結んで月のない夜を月といる
銀の鉾(ほこ)きのうのさざなみを立てる
…‥‥‥‥‥‥………‥‥‥‥‥‥……

 伊勢神宮内宮(ないくう)参集殿奉納舞台で9月13日、中秋の名月を愛でる「神宮観月会」が開かれた。 浄衣(じょうえ)を着けた7人の歌人が冷泉流の作法に基づき短歌を読み上げ、次に1人の講師(こうじ)が短冊に書かれた俳句をそれぞれ読み上げた。題目は「恋」。特選は、福島県の大槻弘さんの短歌《父に添う母に呼ばれしおぼろ夜の菜の花畑のかの日恋しき》、三重県の村田眞美代さんの俳句《あの恋は螢ぶくろにしまひ置く》。

 雅楽は、楽太鼓、楽琵琶(がくびわ)、楽箏(がくそう)、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)などを16人が演奏する管絃「合歓塩(がっかえん)」、舞楽は、萌黄色(もえぎいろ)の衣装に青地に白のうちかけ、高い鼻に鋭い目、口を固く結んだ表情でひげを蓄えた白色の人面に鳥の甲(かぶと)を被った舞人が腰に太刀、手に銀の鉾(ほこ)を持って舞う「貴德(きとく)」がそれぞれ披露された。

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