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 ソクラテス、プラトンとともに西洋最大の哲学者の一人と言われるアリストテレスはつぎのように記している。“幸福こそは、われわれのあらゆる行いの目的”、“個別的に見ても、社会的に見ても、すべての人の目的は幸福”。〈人間は考える葦である〉で有名なパスカルは、こう記している。“すべての人間は幸福になることを求めている。このことには例外がない。(中略)これは、あらゆる人間の、自ら首をくくろうとする人々にいたるまでの、あらゆる行為の動機である”と。

 人間は自分を幸福にしてくれるものを求め、かつそれが永遠に続くことを求めている。生きる意味とは“幸福になること”、それに尽きるのだ。どうすれば幸福になれるかというと、生き甲斐をもつことだと言えるだろう。わたしにとっての幸福、生き甲斐は川柳を詠み続けることの中にある。

 生きる意味と生き甲斐との関係を考える。まずこれ、つぎはあれと、欲張って生き甲斐を求めているが、ふつうに川柳を趣味にもつ程度の幸福では、少々の生き甲斐ではあってもそれが生きる意味とまでは言えないだろう。

 その程度のものは残念ながらまず残らない。その人が亡くなれば捨てられたり、たちまち消えてしまうものである。それでよいという人もいるだろうが、川柳に全力を傾ける人の中には自分の死後も残って欲しいとの思いもあるだろう。それほどの趣味は、もはや趣味の域を超えているので、仕事と言うべきものなのである。

 自分の仕事は生きているうちに自分が残せばいいので、むしろ我われは他人の仕事を残さねばならない。わたしのこれからの仕事を考えるとき、ご縁をいただいた前田咲二師の作品を、今回の『前田咲二の川柳と独白』に加えて、さらに『前田咲二 千句』として遺したいと思っている。この道で懸命にたたかってこられた先人の仕事をかたちにして遺すということも、これからのたいせつな仕事の一つなのだ。

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