高野山吟行27句 (2018/6/3~4)
少女だったあの日の御廟(ごびょう)までの空
頌徳殿(しょうとくでん)に法話 生きつづける大師
御廟橋の一礼 手続きのように
顕教(けんぎょう)へ密教 交差する世界
瞑想は宇宙と滲(にじ)みあっている
入我我入(にゅうががにゅう) わたしの軸が太りだす
(入我我入:〘仏〙 密教の観法で,如来の身・口・意の三つのはたらきが自分の中にはいりこむと同時に,自分の身・口・意のはたらきが如来の中にはいり込み,両者が一体となること。また,そのように観ずること。三平等観)
廟窟に千二百年在(ま)す大師
御母公(おははぎみ)へ町石道(ちょういしみち)を下りてゆく
町石道が大師の情を絡ませる
すこしかたむく五輪塔婆形から独語
木の塔婆のようにきのうが朽ちている
八十八ケ所がある大門の向こう
同行二人 物陰にきのうのわたし
岩陰に坐(いま)すや木の影に在すや
わたくしをひらく写経の墨のいろ
大門の向こうへ空(くう)を問いかける
高野七口きのうの女人
諡号(しごう)だとしてもきのうの抜け殻
女人堂に女のため息がのこる
ここまでのきのうの昏(くら)さ女人堂
わたくしを囲む金剛界四仏
生きるとは死ぬとは 老杉の足下
姿見の井戸にも見透かされている
金剛峯寺のきのうにセミが啼いている
諸仏諸尊の梵字がまなうらにのこる
種子曼荼羅を空に浮かべている聖地
渇仰(かつごう)のままのわたくし ここにいる
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