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  「破調」とは、文字通り定まった調子を破ることよね。絵画でも書でも、うつくしいものには、そこにかならず調和がある。ところで、破調がうつくしい、「破調の美」と言われることがあるのね。ちょっとかんがえると矛盾するような美意識だが、それが日本人の自然観から生まれたもっとも優れた感性のひとつだと言われることもあるのね。不規則性や不連続性の調和こそが、大自然ひいては芸術の本質であると。

 そういえば自然界のリズムはかならずしも一定ではなく、不規則よね。その大自然に近いリズムをもたらす破調こそが、川柳や俳句など文芸においても「破調の美」なのではないかと思うのね。自然か不自然か、この差はまさに破調のあるなしによるとも言えるのではないか。川柳や俳句で、575の定型しか許容しないというのはいかがなものか。大自然の美の本質が破調だと言えるとしたら、文芸にも破調があっていいのね。

 山頭火などの「自由律俳句」は、基本となる17音は切り離し、リズムを大きく外して詠んだ句のこと。これは、破調とは言わない。川柳も俳句も、破調は基本となる17音のリズムが土台であることはおなじ。川柳もリズムを大きく逸脱すると「自由律川柳」と呼ばれるかも知れないのね。しかし、そういうことばはいまのところない。下記それぞれの句は、破調。

かれ朶(えだ)に烏のとまりけり秋の暮(松尾芭蕉)
糸瓜(へちま)咲きて痰の詰まりし仏かな(正岡子規)
二階を降りてどこへ行く身ぞ(麻生路郎)
ひまわりを揺らす千の風万の風(都留あき子)

 ところで。西行や芭蕉、山頭火などの「生き方」をかんがえると。これも破調だと思わずにおれないのね。ふつうに、よき夫よき父といった生き方はどの人もしていない。これは、芸術家の宿命のようなものだと思うのね。古来、創造にかかわる先人たちは似たり寄ったりの生活破綻者だったのではないか。ふつうの市井人であれば辿りつけない境地・世界があるということだろう。

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