上記は 咲くやこの花賞 第5回「明るい」で私が”天”に採らせていただいた句。
一回目の選で採らせていただいた句はわずか28句。その中にこの句がどういうわけか漏れていた。28句では入選の規定数43句に大幅に足りないので、二回目の選では59句まで拡げて採らせていただいた。その中にまるで見つかっては困るかのように隠れていたのが、この句。三回目の選は、書き写すと句の欠点がよく見えるためワードに入力しながら38句まで絞ったが、読み返すほどにこの句は存在感をもって迫ってきた。
「日に晒す」「指紋だらけの私を」と、まず倒置法が効いている。「指紋だらけの」と、この世でもみくちゃにされて純白のままではいられなかった哀しみを詠んでいる。「指紋だらけ」という、非凡としか言いようのないメタファー。染みついてしまった世俗の「指紋」はいまさら拭いようもない。いままで作者を苛んできたものの残滓なのかもしれない。哀しみが読む者のこころを打つ。せめては古本を「日」に当てるように、強い陽光に晒したい気持ちであると。わずかこの1句でも、作者の短詩型文芸における才を感得させるに十分だろう。(たむらあきこ)
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