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 下記は、ご参考になるかならないか、遠い日のあきこの子育て記です。少々恥ずかしいのですが、笑って読んでやってください。
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 子どもを伸ばすには、まず褒めて自己肯定感を育てることが大切なのではないか。私は学習塾の仕事をしながら一人息子をがんばって育ててきたのね。しかし多くの方々同様、子育てに悩みがなかったと言えばウソになる。
 
 まず引っかかったのが、ことばの遅れなのね。発達の遅れを保健所の指導員?に指摘されたのだが、じつはあまりそれを信用していなかったのね(実際のところ、数年で追いついて、学校の成績もトップクラスになった)。いまでも、当時極端なことを言った保健所の指導員には不信感をもっているのね。
 
 ただ、あとで何かあるといけないので、紹介された施設(有料)に見学に行ったが、何かちがうと思い、通所させることはなかった。近くの大きな病院にその方面の専門の先生がおられるとのことで連れて行くと、さすがに保健所のように怪しげなことは仰らず、知能検査のようなことを数回行っただけだった。(それも、一年もしないうちに平均をはるかに超えてしまったのね。)
 
 それでもことばの遅れには違いないので、小学校入学前に連れていったのが、小太りの、やさしそうなおばあさんの先生が開いている初歩のピアノ教室。これがよかった。手を取ってピアノに触らせてもらっているうちにことばが出てきたのである。
  
 持って生まれた才能は、いつか花開く。うちの子もだが、どの子もたぶん親から受け継いださまざまの素質をもっている。親がすべきは、その才能が花開くのを環境を整えて見守って待つだけなのではないかと。
 
 息子をよその子と比べたことは一度もない。ことばがなかなかでないときでも、なぜだか分からないが、息子に対する信頼感があったのね。遺伝子を信じたと言えばおかしいけれども。保健所の指導はまったく信じなかったことが、結局は正解だった。(ほかからも苦情がでていたこのキメツケ指導員には、あとで少々苦情を言ったのね。) 息子を信じたことと、発語を促す環境を整えようとピアノ教室などへ連れて行ったのがよかった。
   
 環境は強いちからを持っている。だが、環境のちからが遺伝子のちからを無視できるかというとそうではないだろう。たとえば理系、文系というように、向き不向きがあるのは確かである。結局遺伝子に決められた個性を伸ばしていくのが、教育なのだろう。上記のようなこともあり、三十代四十代は息子を育てるのに懸命で、また生活のための仕事もあり、自分のことは二の次三の次になった。
 
 息子は最初のピアノ教室を一年と少しでやめてからも、自宅で私が買ってきた楽譜とレコードを頼りにピアノを弾いていた。聞いた曲はたちまち弾けるので、学校で評判になり、4年生頃から先生の代わりにいろいろな行事でピアノ(伴奏)を弾かされていた。学校のグランドピアノを借りて練習もし、5年生で市内のピアノコンクールにも出場。
 
 スポーツは少林寺拳法。団体演武?での最優秀賞をもらっている。英会話は、アメリカ人宣教師に来てもらって一年ほど。中三で近くの大学院生について高校数学を一年ほど勉強。
 
 中一で初めてパソコンを買い与えたのね。それが大学大学院で情報工学を専攻することにつながったのね。中三でC言語をマスター(と言っても、親はわからない)。学校のホームページを先生に頼まれてつくったりしていたのではなかったか。
 
 県外の大学に進学が決まったとき、鬼母はこう言ったのね。「仕送りは、月に四万から五万しかできないから、授業料を払わないですむようにしてね。授業料を払うつもりはないから」。国立大学の授業料免除には成績が要る(半年ごとに教授会にかけられて、承認されるのね)。アルバイトなどをさせると勉強時間が削られるが、授業料免除(当時年間53万円だったか)になることは当然しっかり勉強することにつながり、貧乏な学生にはバイトの代わりとして合理的なのです。あと奨学金。
 
 先日、「ようがんばったな。おかあさんは尊敬してるのよ」と初めて言ったのね。「でも、たいへんだったと思うけど、あれでよかった?」とたずねると、「あれでよかった」と。慎ましく、きちんと勉強してくれてほんとうに誇りに思っています。ありがとう。
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