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桑島啓司さんの第四句集『雀』から
鈴虫の声提げて来て飼へと言ふ
叛くものなし一山の蟬しぐれ
万緑や無人駅また無人駅
着ぶくれの漁婦着ぶくれの子を抱き
鳶の笛ことになめらか水の秋

渦を追ひ渦に追はるる観潮船
花ふぶき突き抜けジェットコースター
草いきれ廃れて魚臭なき漁港
人形のいのち七日と言ふ菊師
松陰のそばに空海菊人形

鳥渡る街にあまたの避雷針
捩花のねぢれて丈を揃へけり
橋よりも長き遠足橋渡る
結跏趺坐して霊山の涼の中
正に霊山法師蟬法師蟬

積み置きの蛸壺を這ふ冬の蜂
合戦をするほど凧の揚がらざる
神鏡の奥の奥まで青熊野
木の葉ふる数に限りのなきごとく
小鳥来る茶房となりし廃電車
…‥‥‥‥‥‥………‥‥‥‥‥‥………‥‥‥‥‥‥……

 著者桑島啓司氏は、昭和16年徳島県鳴門市生まれ。日本現代詩歌文学館評議員(平成6年)。公益社団法人俳人協会評議員。「滝山」創刊主宰。和歌山俳句作家協会副会長・役員選者。著書に句集『青嶺』『滝山』『蟬しぐれ』。毎日紀州俳壇選者。わかやま新報俳壇選者。

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