“うたごころ(歌心)”とは何か。ひと言でいえば、和歌(など)を詠もうとする心持ちなのね。和歌についての素養を言うこともある。ほか、和歌のもつ意味やモチーフなどだったりするのね。ちなみに、和歌と短歌の違いを簡単にいうと、近世までが和歌、それ以降は短歌という呼び名になるのね。
“もののあはれ(もののあわれ)”は、文学的・美的理念の一つよね。折に触れ、ものごとに触発されて生まれるしみじみとした情趣や、無常観的な哀愁かな。日本文化においての美意識や価値観に深くて重い影響を与えた思想なのね。 “やまとごころ”ともいうが、これが“うたごころ”と重なっていると思われる。
“もののあはれ”は、江戸時代後期の国学者本居宣長が提唱、儒教思想による勧善懲悪などの概念を否定し、『源氏物語』などを読むときの、文学作品の芸術的自律性という視点を生みだしたのね。宣長は、『源氏物語』の本質を「もののあはれをしる」という一語に集約した。物語全体の美的価値を一つの概念に凝縮させ、「もののあはれをしる」ことは人のこころをしることであると説いたのね。人間のこころへの洞察力、それは広い意味で、人間と人間の住むこの世との関連の意味を問いかけるものだったのね。
あきこの川柳は、モチーフとしては喜怒哀楽のうちの主に哀を詠んでいるのね。川柳作句の心的動機となるものが“もののあはれ”であると言えば違和感のある方もおられるだろうが、間違いはない。しかし喜怒楽のどれを詠んだとしても、やはり奥底にあるのは“もののあはれ”なのね。あきこに本質的につねに従属するものが“もののあはれ”だということだろう。あえて言えばこれがわれわれ日本人の心性なのではないかと思うのね。
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