柳人紹介❾ 宮村 典子さんの20句
塩麹の甘さは夕暮れの甘さ
浮雲のひとつが母に似て遠い
確信犯らしい素顔でやってくる
つまらないことをはっきり思い出す
美しい思い出だけで編む老後
一匹になっても生きている金魚
水を足す夢が煮詰まらないように
ふるさとの月に預けてある兎
死んだ振りしているのなら目を開けて
俯いているのに声をかけられる
過呼吸になりそう群れの中にいて
ノーコメントを貫く誰も悪くない
哀しみが深くて春が動かない
ドアチャイム押す時ちょっと立ち止まる
老老介護いのちを温めあうように
落とし物ですと涙を拾われる
温い手だ解毒作用があるような
明るい部屋でした別れの部屋でした
物差しが古くて夢が測れない
思い出し笑いをしている抽斗
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