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前田咲二遺句集 平成10年』➍
心冴える刻をしずかに待つ匠
焼き芋を包むやっぱり新聞紙
疾しいところがなければああは騒ぐまい
ひもじくて田辺聖子を食べている
胃カメラに見られるぼくの不行状
わがままなわたしがしゃしゃり出て困る
馴れそめも別れも傘は知っている
ニンニクの臭いチャンスをふいにする
古女房の鼾が二階まで届く
核の祈り届かぬインドパキスタン

そこまでやるか犬の首輪の万歩計
バタヤンのギターにふるさとが揺れる
いい歳をして投げキッスなどするな
同床異夢しばらく見つづけていよう
塔を映して吉井勇の川がある
人間の弱さ背中に夜叉を彫る
ネクタイを結ぶと男走り出す
手さぐりにしては急所を突いている
長兄として亡父そっくりの笛を吹く
ながい付き合いしたくて愛は口にせず

釘を打つおんな扱うように打つ
豆腐の角ぐらいの意地は持っている
ライバルが待ちくたびれるまで眠る
肩書きを捨てると路が見えてくる
ラストシーンはきれいな恋でしめくくる
小島功のカッパが酒をつぎにくる
マツリニハカエルサンマノスシタノム
流されているとわかっていて流れ
老醜を晒さぬように暑に籠る
ゼニの重さもゼニの軽さも知っている

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手のなかに師・前田咲二➍‥《小島功のカッパが酒をつぎにくる》(前田 咲二)”にコメントをどうぞ

  1. 前川奬 on 2018年10月12日 at 9:11 AM :

    たむらあきこ様
    『前田咲二遺句集 平成10年』➍拝読。
    早や120句、有難うございます。
    書き写すペンもリズムに乗っている感じがします。
    前川奬

  2. たむら あきこ on 2018年10月12日 at 10:21 AM :

    前川奬さま
    起きたときがいちばん目が元気。
    写し間違えのないように、優先的にその時間を当てています。
    からだが元気なときに吟行、これも急がないと。
    パソコンの画面を見ていると、目が疲れるのが難点。
    レンズが二つ要るのよね。(笑)

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