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 私は、独りでいる時間が圧倒的に多い。独りで句を詠み独りで推敲、この時間がどんなに豊かで幸福かということは、比べられるものもなくことばにできないくらいである。独りでいることの幸福とは孤独の美化でも他者をこばむ姿勢でもない、言うなら「自分という世界を丁寧に育てる自由(をもてる幸福)」に近いものかもしれない。周囲の誰かに合わせる必要がないということはときに羽のように心を軽くし、ときに湖面のように思考を研ぎ澄ませてくれる。

 いくつか挙げると、まず自分のリズムで呼吸できること。すなわち生活のテンポを自分で決められること。働く・休む・遊ぶの境界を、自分の都合や感覚で調整できる。他者の期待やペースに振り回されないということが大きい。

 机に向かっていると、自分の内側の声がよく聞こえる。外の雑音が減ることで、創造性や集中力が高まる。また、そうしていることで自分の価値観がしだいに輪郭をもち始める。生きがいとまでは言えない、生活上のささやかな喜びが豊かになる。たとえば一杯のコーヒー、静かな夜、整えた部屋など。小さな習慣がそのまま人生の質になる。誰にも邪魔されない時間が心の余白をつくる。

 自分の人生を自分で設計できるということは、大きな喜び。進む方向を自分で選び、責任も引き受けるということ。変わりたいときに変われる、守りたいものを守れる。他者に依存しない分、関係を「選ぶ」ことができる。

 独りは“孤立”ではない。独りでいる幸福とは、誰とも関わらないことではなく、「関わりたいときに関わり、離れたいときに離れられる」という柔らかい距離感の中にある。自分の世界が満ちているからこそ、他者との関係もより澄んだものになる。

 独りでいることの幸福は、派手さはないが、静かに、深い。それはまるで夜の海に光る漁り火のような小さな灯り。独りでいる中で感じている幸福や、逆に難しさを感じる瞬間についても語り合える友人がいれば、さらに深い話ができるかもしれない。

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