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立山連峰2(16日のブログの続き)
さて、富山と川柳。

わたしは今まで何度も富山県に来ています。それは竹内いそこさんと伊東志乃さん(に)わたしのブログに書き込みを入れていただいたのがきっかけです。「大会があるのでいらっしゃいませんか」。いそこさん選のときも、志乃さん選のときも来させていただいて、何回にもなります。

はじめて富山の駅に降り立ったわたしを、(いそこさんが)車で「わたしの一番好きな所に連れていってあげます」と、行ってくださったのです。それがどこだったかわかりますか? そうなんです、立山なんですね。常願寺川を遡った立山連峰の麓でした。初めは疲れていたので車に座ったままぼうっと見ていたのですが、だんだん近づいてくると目の前に立山が壁のように迫っているのです。これは何なんだ。和歌山はみんな山が低いですから、見たこともない景色でした。これを見て呆然としましたね。この瞬間から立山が恋人となってしまったのです。皆さんは毎日のように見ることができるから(※めったにくっきりとは見えない)、案外気付かないかもしれませんが、立山連峰ほど美しい山はございません。静岡県の人は富士山のほうがきれいと言うかもしれませんが。立山はちょっと違うのです。崇高な山ですね、特に雪の立山は。何回来ても、何回見ても、帰る時は後ろ髪を引かれて振り返ったまま帰ります。

次に、吟行を始めました。立山を詠みたいと思いました。吟行句です。わたしはだいたい一時間に六十句詠みます。そしてそのあとの推敲に大変に時間をかけます。それというのも、うちの先生(前田咲二)が「これ、難し過ぎんのと違うか? こんなこというてもみんなわからんぞ」と言われるのです。でも、ここは立山の地元じゃないですか。皆さんは解って下さると思うのです。

立山連峰を詠む(たむらあきこ)

立山と向き合うわたくしの荒磯(ありそ)
東風(あゆのかぜ)すさぶきのうへ戻るとき
渋谿(しぶたに)の崎に寄せては返す哀
惟神(かむながら)置く雪の稜線
山なみの太刀(たち)の辺りにきみを置く
立山の磐(いわ)の条線から翳る
雪は斑(はだら)に偲ぶ在りし日
漂流のきのうを打ち寄せる磯廻(いそわ)
(いなな)きは国守か古(いにしえ)の磯廻

この国守とは誰のことかわかりますか? はい、大伴家持ですね。万葉集の編纂に関わった(とされる)歌人ですね。

渋谿の崎の立山(たちやま)きみを待つ

昔は立山は たちやまと言われていました。太刀のような切り立った山、ということですね。

鳥の声何処かと問えば水に影
弓張り月は天平二上山(ふたがみやま)尾の上

天平は大伴家持が伏木に国守として来ていた時代ですね。

射水河(いみずがわ)ほとりに家持(やかもち)の思惟(しゆい)

しゆいとは(深い)思いという意味です。わたしはこの景色を見て、(川柳の)吟行をした、初めての県外の人間ではないかと思うのですね。だからこの大切な吟行の句はいずれ本に載せますが、まずは(富山県の)皆さんに聞いていただくのがいいんじゃないかと思うのです。
(続く)

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