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納棺の儀からころがる種子(しゅじ)ひとつ
【鑑賞】 「種子」の一例を挙げるとवंvaṃバン)。これは金剛界大日如来。密教の修法(しゅほう)において本尊となる仏を想起するシンボルとなるので、植物の種に譬えて「種子」というらしい。仏教用語。 種が芽の原因となるように、 現象を生じさせる可能性としての原因の意味で用いられた。この語は、後世インド仏教の唯識説に採用され、その重要な概念となった。
 この句に於ける「種子」は尾藤家の菩提寺が曹洞宗・祝言寺であることからご本尊・釈迦如来の「(バク:印字できません)」だろうか。作者のご尊父・三柳師が続く芽を生じさせる「種子」だといっているようにも思う。

父の血ちりちり唯識の器
【鑑賞】 「唯識(ゆいしき)」とは、この世の事物・現象は客体として実在しているのではなく、人間のこころの根源である阿頼耶識(あらやしき)が展開して生じたものであるとする思想。「唯識」とは“ただ認識のみ”という意味で、こころの外に“もの”はないということ。人間は、それぞれのこころの奥底の阿頼耶識の生み出した世界を認識しているだけとか。他人と共通の客観世界があるかのごとく感じるのは、他人の阿頼耶識の中に自分と共通の種子が存在するからであると考えるなにかを行ったり、話したり、考えたりすると、その影響は種子(阿頼耶識の内容)に記録され、阿頼耶識のなかにたくわえられるという。
 この句は、「唯識の器」であるとする作者自身の中にご尊父・三柳師の「血」が「ちりちり」と刻まれているといっている。それは生物学的な「血」とともに長年の薫陶により作者の阿頼耶識に染み付き、たくわえられた種子なのである。

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