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 憂国の士といわれる人々が、数は少ないがいつの世にもいる。国の将来について心配し、自らを犠牲にしても国を立て直すための行動を起こそうとする人々。とくに体制側ではない立場でそうした行動をとる人々。前田咲二先生への弔吟に次のような句があった。

  憂国の志士ばっさりと時事を斬る    吉田わたる

 吉田氏は見るからに硬派の、礼儀正しい知性的な紳士といった佇まいの方だが、下記のような短い追悼文も書いておられる。サムライはサムライを知る。かたや東大、かたや海兵。飄々とした一面だけでは測ることのできなかった前田先生を理解しておられたお一人。
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 この二、三日咲二さんのことが頭から離れませんでした。かつて森の宮での句会中、また番傘本社での句会途中、咲二さんとは楽しい思い出ばかりです。ユーモアたっぷり、企画力実行力十分。瓦版の会の革新に貢献大。立派な男でした。あの世でも論評をしていることでしょう。(吉田わたる)
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 〚柳人紹介❷ 吉田わたるさんの20句〛
憂国の志士ばっさりと時事を斬る
理屈など言わぬ くるくる風車
災害のあとに孤独死とは無惨
なりゆきに任せておけと神の声
邪魔だけど居らぬと困るのも亭主

福袋夢追う人の長い列
定員割れいや大学が多過ぎる
そのまんま泳げるようなギャルの群れ
佐渡おけさ聞きたくなってトキ帰る
これ以上飾ることないサクラサク

岸壁の秋を彩るベニズワイ
そんなにも近づかないで誤解生む
ポスターがあくびして待つ総選挙
裁判員心が揺れて眠れぬ夜
寄付もなく花火が湿る不況風

いつまでもお熱い仲じゃ身がもたぬ
飲みたくて居酒屋タクシーを探す
草食系男子が殖えて子が出来ぬ
公益の仮面で稼ぐ検定屋
美しい星にしようとごみ拾い

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