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          再                            会 川柳界の女王・森中惠美子先生。一筋の道を歩んでこられた老年は凛として個性的、お美しかった。(写真:瓦版1月句会懇親会にて。あきこ写す)

 惠美子先生に大会で特選に採っていただいた句に、《老人になってゆくのも役だろう》がある。ほか《さみしいと書いてよけいにさみしくなる》、これは番傘川柳本社句会での秀句(止めの句)。先生はどういう句をよいと思っておられたのか、見えてくると思う。

 女王と称えられた惠美子先生の秀句に採られることは、川柳人にとっての栄誉だった。《杖ついて生きる姿も美しい》は先生の句集『ポケットの水たまり』の中の一句だが、いまあきこも杖をつくようになって、しみじみと共感できる。あきこ同様、杖をついておられる方々へのエールにもなるだろう。惠美子先生もトシには勝てず晩年は腰が曲がっていたが、川柳という大きな生き甲斐に支えられておられることは変わらないようだった。

 惠美子先生の句をブログに写していると、うまさがよく分かる。というより、それはもう枝葉を切った〈こころ〉そのもの。句のこころが読む者に響いてくるということ。送ってきていただいた『ポケットの水たまり』は、まったくことばを飾らない川柳だった。

 そのあと、お礼の電話で惠美子先生としばらくお話しさせていただいた。先生とお話しするときには筆記用具を手元に置いておかねばならないと思っていたのに、またまた後悔することになった。ブログに記すときにはわずかな誤謬も許されない。あいまいな記憶のままでは記せない。

 先生に近い方々には先生のことばを逐一書きとめておいていただきたい。含蓄のある内容を、川柳家らしくことばを択んで話された。先生は、お話しがそのまま川柳なのだった。
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『ポケットの水たまり』(森中惠美子先生)から抄出10句。
二人揃って淋しきものよひな飾る
いしぶみへ女のひとり言を置く
ゆっくりと独りをきざむ水の音
雨の日のノートは死後のことばかり
幻の酒まぼろしのひとと酌む

歳月のどのあたりから老いたのか
酒が好きひとりの酒はもっと好き
無技巧の技巧ミルクがあたたかい
遺書になる色紙の墨を滲ませる
たましいに咲く夾竹桃もヒマワリも

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 あきこが仕事に育児と介護、いわゆる責任を果たしたあとの自由時間を何に使おうかと考えた末の選択は、たまたまたどり着いた川柳だった。いまや川柳はあきこのイノチと言ってもいい。惠美子先生は川柳という生き甲斐を杖にいつも毅然と立っておられた。つぎは、あきこの句。

たましいの晴天曇天をあるく(京都番傘川柳会創立90年記念川柳大会 森中惠美子選「歩く」)

 『ポケットの水たまり』から、つづけて抄出1句。
にんげんの果てをおさめている器

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