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 天然痘・赤痢・コレラなどの疫病(感染症)はもともと特定の地域の風土病だったが、異世界との交流拡大によりその病が存在しなかった地域にも伝播、世界的にも流行するようになった。
 
 疫病の原因として、日本では古くは怨霊のしわざとか仏罰・神罰によるものという、超自然的なものに原因を求める考え方があった。疫病の原因がはっきりとしたのは19世紀後期、細菌学の進歩による。

  長い歴史の中で、日本人は流行り病(感染症)に何度も苦しめられ、見えない敵と闘ってきた。節分の豆まきなどにその名残りがある。だが、我われ多くの日本人は近年その恐ろしさを忘れていた。新型コロナウイルス感染拡大でまさか緊急事態宣言まで発令されるとは、予想だにもしていなかった。
 
 奈良の東大寺では、四月から毎日正午、新型コロナの早期終息などへ祈りを込めて大仏殿で読経しているとか。大仏造立を決めた聖武天皇の時代は大地震や飢饉が続き、疫病(天然痘)が流行した。これもウイルスによる感染症。なんと百万人以上が亡くなったとか。
 
 昨年元号が改まったが、改元も疫病と関係がある。改元理由で最も多いのは自然災害や戦乱、疫病など、大きな異変が起きた時の災異改元。なんと百回を超えるとか。全国各地の神社仏閣には、人々が昔から疫病退散を祈願してきた祭りや伝承が受け継がれている。これだけ疫病の問題は身近に迫ったことだったのに、その恐ろしさを長く忘れていた。寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」のことば通り、我われは災害や感染症から逃げられないのである。
 
 川柳という文芸がこの災厄に対して何ができるかといえば、もちろんとくに何ができるわけでもない。できるとすれば、不安を感じている人々に前向きになぐさめを与えるくらいのこと。あの大震災の時とおなじように、いまの状況を川柳に詠むことで、人間はどんな場合でも前向きに生きるという、自他への確認を残すことである
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